高円寺を代表する、という形容の仕方があるのか知らんが、遺跡廃墟好きには必見の一角。
高円寺の由来ともなっている宿鳳山高円寺の並びにある。高円寺一番を推すのは廃屋の朽ち具合の風情もさることながら、廃屋を支えるように立つ桜の大木。高円寺で写真家を志す者は記録に残すべき光景だと信じる。
中を覗くと、ガラスケースに収まった西洋人形が見える。廃屋に人形なんて遊園地のお化け屋敷の作り上げられた設定のようだが、不思議と表情は穏やかで静かだ。
この写真は私として今日一番のお気に入りだ。錆びたトタン、倒れつつある杉板壁。そして遠近パース。
地方や辺境の廃墟や廃屋はこれからも時間をかけて朽ちていくだろうし、また訪れたら見られそうな安心感がある。しかしこの高円寺の廃屋と素晴らしい桜の大木はいつ取り壊しが始まり伐採されるのかわからない、儚さがある。
そういえば、廃墟カフェで検索してみたら私が愛した京都二条城の近くにあるsolが検索結果に出てきた。懐かしい。キュレーションサイトに「廃墟カフェ TOP10」みたいなものが無数にあるのだが、内容はどれも似たものばかりでしかも私が2011年に撮ったものを拝借している。まあ、私のカフェではないし、客として撮っただけだし、それで客が増えてカフェが長く続けば本望。でもね、残念ながらとっくに閉まっているのだよ。
http://getnews.jp/archives/1302276
他のアクセスの取れそうなサイトをパクって店名を検索して、使えそうな写真の載っているブログから拝借してばらまいているだけで「廃墟、廃屋愛」を感じないのだよね。やっつけ仕事感が強い。
SOLは目当てに行く価値のある素晴らしい廃墟カフェだった。店主は河井寛次郎の器を使ったワークショップを開くほどの文化人だった。陶芸好きに拍車がかかったきっかけはここかもしれない。
既に閉店しているSOLを目当てに現地に行くと、周辺にめぼしい観光目的地はない。京都旅行で時間を無駄にしてしまわないことを願う。商業キュレーションサイトも閉店していないかぐらいは調べてあげれば良いのにね。
過去のSOLのブログ備忘録。あんなにも素晴らしいカフェも立地が悪いと立ち行かないのか。カフェ経営って本当に難しそうだ。