書き忘れていた備忘録。
全く期待せずに事前情報も無しに行ったからかもしれない。
子供達を預けて夫婦だけで行ったからかもしれない。
子供の粗相を気にせず、料理に意識を向けられたからかもしれない。
理由はいろいろ思いつくけれども、目で楽しみ、舌で楽しみ、感銘を受けた料理は久しぶりだ。ランチコース4000円。その期待をはるかに凌駕した。
無論、もっと高くてもっと美味しいレストランは都心に数多あるのだろうけど、会食でそのような店に行ってもここまで感銘を受けたかはわからない。そして誰かが事前知識を得て期待に胸を躍らせて遠路から食べに来て、同様な感銘を得られるかもわからない。
たぶん、今の私を取り巻く状況と気分を背景にした最高のレストランだったという話だ。
フレンチは調理の様式であって素材の分類ではないのだろうな。ホタテやムール貝に加えて使われるのは金蓮花やジュンサイ、緑のソースは胡瓜だという。まず、皿の絵面が色彩豊かで明るい気分になる。そして食べてみて、和の食材がどうして、こんな味になるのやらと感心する。
新玉ねぎの冷製スープ。
鮎をバターでカリッと焼くのだそうです。鮎の苦味は抑えられていて丸ごと食べられる。まわりを苦瓜や茗荷、オクラが取り巻く。
鴨を頼んだが肉料理をも野菜がふんだんに取り巻く。紫薩摩芋、オリーブを焦がし炒めた調味料。
西瓜の上にメロンや薔薇の香り付けされた泡が乗った爽やかなデザート。とても軽い甘さ。珈琲を頼んだのだが、出される前に食べ終わってしまった。
珈琲だけ締めで飲むスタイルなのか、と勘ぐっていたところにデザート二皿目が珈琲とともに供された。なるほど。前回のあっさりデザートはそれだけで食べ、珈琲はトリュフチョコやパウンドケーキなど味のしっかりしたデザートと合わせてくれということか。腑に落ちた。