脚を少しばかり細くしたが、これ以上やると素焼きの際に胴体の重みで曲がってしまいそうで断念した。
細い輪カンナで毛並みの鎬を掘り入れて、信楽白土を上から塗った。造形はこれで完成。サブレッドなどの軽い種馬に対してばんえい馬のような重種馬もいるわけで、この脚のがっちりした鹿は重種鹿なのだろう。
鹿の眼はさらに細工を入れるか悩んだがやめた。目元を少し切開したら鹿らしい表情に近づいた。前作、前々作よりも進歩している手応えはある。
背中に乗せたのは蓮華座のようなもので、奈良の春日大社の神鹿が背に似たような花托を背負い、そこから樹状の植物が生えていたのを真似ている。
私なりの植物賛美の思いを好きな鹿に背負わせてみた。
蓮華座には緑青銅釉というものを掛けてみた。無事に期待通りに焼けてくれるだろうか。
角にはまた緑蛇でも良いけれども、何かちがう種類の多肉を試してみても良い。
作等の満足度としては仕上げ工程はさほど充実感がない。細かい作業が多いし些細な造形不具合が気になり続ける。初日に土で無造作に形を作っていって、予想外にこんな形になった、という展開が楽しい。同じ型を複数作るとなるとまた作業的で面白味が減ってしまうのだろうな。
また座位の鹿鉢を作り直したい。
団子虫鉢はトルコ青結晶釉を筆でかなり厚塗りしてみた。禿げる可能性も高いが、それも含めて実験してみたい。
今回は腹部を蓋状に取り外し可能。