高円寺 まるごとスパイスが香るカレー屋「青藍」

高円寺は日本のリトルインドと呼ばれることがしばしある。貧乏長屋が多いからなのか、スラムっぽいガード下や大一市場などの飲食店街があるからなのか、単純にインドからの輸入雑貨屋が数店舗あるからなのか。

 

中でも、カレー屋が多いからだというのは説得力がある。ニューインディア、豆くじら、インド富士子、妄想カレー、サプラ、ピピネラ、TRIP、ブラックカレー、花菜、100時間カレー。名前をあげられないカレー屋もあるかと思う。もちろん、CoCo壱もある。

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カレーは作り置きができるし、時間かけて煮込んだものをよそうだけ。さらに火を入れて何日も持たせられるから廃棄率が抑えられて効率的。それっぽく一皿800〜1000円、トッピングにこだわって追加で数百円のせて客単価がそれなりにとれる。一人客が掻き込むように食べて出て行くので客の回転も早い。原価率も良い。オペレーションも楽。素人がカフェをやるならばカレーはオススメ。

 

そんな内容をカフェ開業の指南本で読んでからというもの、貴重な外食の機会にカレーを食べる気にならなかった。

 

何せ、カレーというやつは家で素人が作ってもそれなりに美味しい。ジャワカレーだのコクまろだのでも良いし、成城石井のカレーパウダーのものは一味違うが作る手間は変わらない。

 

そんな自分が一回試し、なんとなく二回目も行き、三度行くにあたって、ああ、嵌っているのだな、と自覚させられたのが庚申通り商店街の終わりらへんに2017年秋に開店した「青藍」。

 

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白米に寸胴鍋からカレールーを掛けて提供という手軽メニューではない。フライパンでソースや丸ごとのスパイスを炒めるところから始まるので提供されるまで少しばかり時間が

 

キャロットくるみラペとか、アンチョビキャベツ黒胡椒とか、大根浅漬けマスタード和えとか、味の想像できない様々な副菜が同じ皿の上によさわれており、好みで混ぜながら食べていく。しかし何よりもスパイシーカレーは脳天から汗が出るぐらい辛い。これは花山椒の辣か。単に刺激の強さを追求した痛い辛さではなく、濃厚な味を伴う辛さだから辞められなくなる。たまにまるごとのクミンシードなんかも噛むと途端に香りが口の中に広がって楽しい。

 

そういえば、京都の白河、造形大学近くの駱駝という中華料理店も大陸的本格麻婆豆腐がやみつきになる味だったのを思い出した。

 

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自分で似たようなものを作ろうという発想が湧かないカレー。ああ、久しぶりにあそこのカレーが食べたいな、と思ってしまうカレー。

 

高田馬場で数ヶ月試験営業した際に既に客を虜にした味らしく、開店早々、かつてのファンが訪れている様子。

 

11:30~14:00
18:00~21:00(LO20:30)

水曜定休