クリニャンクール蚤の市


  • クリニャンクールはGaribaldi駅からが安心して行きやすい
  • 蚤の市ではなく実態はアンティークギャラリー街
  • 値段は安くはないがガラクタは少ない
  • マーケット散策をし、ポルトクリニャンクール駅前にあるRe:cyclerieで食事をしてから帰るのが効率的なおすすめコース
  • 剥製、絵画のフレーム、椅子、絵
  • レトロポスター、手芸用品、古着なども
  • 大理石の彫像や金塗り家具などの高級品も

ヴァンヴの蚤の市に昨年行ったのだが、正統派なガラクタ市だった。不揃いの銀食器、壊れた家具、汚れた絵画、雑巾のような衣服。

 

パリで最大規模のフリーマーケット、アンティークマーケットと呼ばれるクリニャンクールに行きたいと思っていたのだが、ネットで検索すると1人では絶対に行くなだの、高確率でスリに遭うだの、散々の評判だった。

 

今回は観光にも美術館にも興味がなく、パリに来てどこにも行く予定がなく、私のいく先ならばどこでも付いてくるという奇異なインド人男がいたので、遠慮なく我が身の安全の為に同行してもらった。

 

Porte de Clignancourt駅からフリーマーケットに向かうと、中東アルジェリア系の若者が売る偽物衣料品街を抜けないといけない。やたらピチピチしたグッチだのプラダだののロゴが入ったシャツやトレーナー、ジーンズやサングラスが売られているのだが、殆どの日本人観光客にはここで買いたいものは皆無ではなかろうか。埼玉県の大宮あたりの不良を気取った高校生が買いそうな類い。この柄の悪い衣料品売り場をクリニャンクールフリーマーケットと勘違いしてしまう人もいるらしい。

 

それならばむしろ12号線のGaribaldi駅から行く方が良い。駅を出ると目の前に教会がある。まだクリニャンクールの何たるかを知らない少しビクビクした私達、ヒンズー教徒と仏教徒の一行は旅の安全と加護を求めて教会へ。

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観光客には無名の教会といえども一つ一つが立派で素晴らしい。彩りどりに輝くステンドグラスを介して陽光を浴びると、何やら加護が得られた気がする。

スリだって、今日はキャッシュを持ち歩いたアジア人をカモにして、愛する家族を養えますようにと祈ってるかもしれないけれども。

 

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教会の裏のロジェ通りを右に真っ直ぐ進むともう家具のアンティークショップ街に辿り着く。1人でも明るいうちはこちらのルートの方が安心できるのではなかろうか。

 

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クリニャンクールの裏手外れということもあって大きな倉庫を持った店がある。こちらの方が大きな家具は安いのではないだろうか。

 

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 木製の額縁なんてどうだろう、と値段を聞いて見たのだが彫刻が立派なものは160€〜200€程度となかなかな値段。

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 猫脚の華麗な椅子の数々。駐在していたら検討したい。

 

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 写真は控えたが、美術館グレードの肖像画や石像などよほどの貴族の館でないと釣り合わなそうな高級調度品もある。何せベンツのマイバッハで乗り付けてくる金持ちもいるぐらい。

 

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「 うちの旦那と同じ体格ね。これで。。。」なんてことでも考えてるのだろうか。

 

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インダストリアルランプは奥、330€、手前420€とのこと。手前のは知られたブランドだといっていたが忘れてしまった。こんなのを書斎に付けられたら堪らんのだがな。

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 アート?アートだよな。アートに違いない。

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 銀食器の一画。黒ずんでいないので店主が売れる日を待ちながら磨いているのだろうか。

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 左手の銅の鍋が渋い。銅鍋は高い熱伝導率で速く均一に温まる。しかし腐食しやすいので作った料理はすぐに出して洗わないといけない。どちらかというとプロ仕様。

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ビーズや手芸品のアンティークもたくさん売られており、それらの愛好者の間でクリニャンクールは知られているらしい。

 

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さすがは狩猟文化の根付く国。剥製技術も日本よりも進んでいるのではないか。目も体の膨らみも日本の剥製よりも不自然さが少ない。

 

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ヘラジカ。北米ではムース、欧州ではエルク。なんと3500€だそうだ。

 

いやはや、楽しいではないか。週末の明るいうちならば1人で来ても全く問題なさそうだ。中東アフリカ系の犇く衣料品闇市は敬遠したいからGaribaldi駅方面から裏手から入るのが良さそうだ。気持ちの良いテラス席を備えたレストランもあるMarche Paul Bert周辺を目指すのが吉。


ホテルから20分程度の近距離。もっと早くから来ておけば良かった。毎回、渡仏する際に週末の1日は散策しても良い。今回でも全体の1/3程度を流しながら見られただけ。次回は1人だけで存分に過ごしたい。