箱根翡翠 東急ハーベストクラブ

昨日の社畜社会への怨讐のような吐露は仕事のことはブログに書かないことに決めていただけに不本意だけれども、桜について書いたことにしておく。

 

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海外出張で餓えるのはなんといっても広々とした露天風呂。そこで箱根の仙石原に近い、東急ハーベストクラブの箱根翡翠という宿へ実家に誘われて泊まった。

 

 

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ううむ。広い。

 

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メゾネットタイプで4階の入り口から入ると、さらに上下の階に分かれている。こういうの、子供達は楽しい。

 

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吹き抜けは開放感がありまんな。到着20分以内にメゾネットの2階と1階の間の手の届かない段差に靴下を投下した次男。的確に部屋の構造的弱点と親が最もされたく無いことを瞬時に見抜いて実行するのは才能だと思う。

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メゾネットの2階は和室。琉球畳風な縁なし方形畳が敷かれていて、寝相の悪い幼児連れには有難い。

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大浴場は鉋で削り出した板床が素肌に気持ち良い。露天風呂も巨大な朽ちた流木を配した太古の森をイメージしたような風情で好み。

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温泉宿にも関わらず、大浴場の風呂しか入らなかったので写真は撮れず。

濁り湯あり、サウナあり、大谷石の室内風呂あり、と満足の風呂だった。泉質もサラリとしそれでいて湯の吹き出し口が結晶化するほどに鉱泉

 

 

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子連れは隔離された大部屋に集約されていて、あちらのテーブルもこちらのテーブルもそれなりに賑やかだったので数分おきに子供に静かにするよう注意しなくて済んで助かった。

 

割烹料亭の上等なレベルの品々が1時間内で無制限に頼めるという、テーブルで注文式のビュッフェ。

 

一品一品は少なく、たくさんの種類を楽しんでもらう設計。一人一人注文を取っていたが、提供する際には誰が何を頼んだか覚えているわけではなく、毎回「〇〇を頼まれた方」と聞く事態になる。何を頼んだか忘れるし、食べたいペースと提供されるペースもずれてくるのでビュッフェにするなら注文式よりも自ら取りに行く形式のほうが楽しめるのではないか。

 

大皿に山盛りにするのが風情がないというならば小鉢を取るスタイルでも良い。

 

落ち着いて料理と皿の組み合わせも楽しんでほしいというならば、もうビュッフェスタイルは合わない。

 

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飯蛸の旨煮。一番気に入った品かもしれない。日本酒になんとも合う。菜の花のほんのりとした苦味も心地良い。

 

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河豚と鮭の握り。おろしポン酢ジュレのようなもので味が付いており美味。

 

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春鱈の柚子味噌西京焼き。

 

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蟹味噌茶碗蒸し。

 

ほかにも蕎麦、鮟鱇の南蛮漬け、鰆の昆布締め、海老点心、鴨ロース、黒豆湯葉、炊き合わせ、帆立コラーゲンスープなど一品づつ頼んでも食べきれないほどの品数。そして誰も味が良い。子供向けにたこ焼き、ハンバーグ、唐揚げ、カレーなんかもあった。

 

桜餅、白あんみつ、抹茶のプチケーキ、マンゴーシャーベット、南瓜のタルト、果物ゼリーなどデザート類も豊富。

和食ビュッフェは8000円。宿の周囲に食べに行く料理屋は無い。味は満足だが、2回目、3回目も同じ食事形式で満足できるかは疑問。

 

 

この東急ハーベストクラブはエクシブと似た会員制リゾートホテルで1200万円程の会員権で一年のうち10泊前後泊まれるらしい。実態は会社や健康保険組合が会員権を購入して福利厚生サービスに使っている法人会員の占める割合が高い。個人会員と法人会員の扱いにどれだけ差をつけるかでその会員制リゾートホテルの雰囲気も変わってくるように思う。ちなみにエクシブ箱根離宮の新規会員権は3000万円以上する。

 

私としてはこの手の会員制リゾートホテルを個人で購入する人の動機を理解しかねている。毎回泊まる度に宿泊費は払わないといけないし食費もかなり高い。コスパなどを気にしない経済的余裕のある人を対象にしているのだろうが、だったら様々な高級旅館を泊まり歩いた方が楽しくないだろうか。1泊5万円ぐらいの宿に泊まっても会員制リゾートホテルよりも安上がりだ。

 

いやいや、違う宿に毎回泊まるような落ち着きのないことはしたくない。気に入った雰囲気の宿に毎回泊まりたいのだという人が対象かもしれないが、同じところに泊まりに来たいならば別荘でも買って清掃なんかも外注し、食事は仕出しにした方が部屋も自分好みにカスタマイズできて楽しそうに思う。

 

個人会員とみせつつも自営業者が会社の福利厚生施設として節税も兼ねて購入している、偽装法人会員が多いのではないか。純粋な個人会員がこういったリゾートホテル会員権を買う動機がイマイチわからない。自分の拘りや好みが先鋭化していて貪欲で知的好奇心が旺盛な超富裕層に見向きされるとは思えないのだよな。そういう人にとっては様々な点で半端だし、法人会員など混ぜない完全に排他的な会員制リゾートホテルを選ぶだろう。


数千万円の金に頓着しない

ランニングコストに無頓着

毎回異なる宿やホテルに泊まるのは億劫

毎回同じ部屋、サービスで飽きない

ホテル任せで自分のこだわりはない

こういうものに対して所有顕示欲がある?

 

結局、純粋な個人会員のプロファイルがわからない。よほど個人会員に対してのサービスが違うのなら話は別だがそんな話は聞いたことがない。何せ一番の目玉であるはずの大浴場が全会員共用だ。

 

 

結論としては保養所の新しい形態ということか。まあ、金持ちの動機は私に知る由もない。

 

 

枯渇していた温泉成分を補給できた。箱根翡翠も気持ちの良い宿だった。露天風呂からの眺めの良さ、部屋の雰囲気、使い勝手という点ではエクシブ箱根離宮が恋しい。