この世にタダなものはない。どう値付けするべきか。

この世にタダなものはなく、タダより高いものはないとさえ言われる。 中国人のチームの子から、「日頃の感謝の気持ちだから気にしないで」といってなんだか大きな箱を頂いた。 

 
以前の中国人との経験から、上司に贈物をするのは普通だし、それを拒絶すると面子を潰すし相手への明確な拒絶と受け取られかねないと忠告されたことがある。箱は大きいけど気にしないでね、とのこと。
 
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開けてみると中からは桐箱。傾城の美女の傾城か。その魅力に権力者を骨抜きにし、判断を狂わせ、国を傾かせるという「傾城」をブランド名に冠しているとは。
 
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桐箱の蓋を開けると、さらに中からは染付けの陶器の容器。流石に手書きではなく機械印刷だろうが、印判手のようにドットの粒状感が見えない。そんな安物には見えない。間違っても容器として捨てる代物ではない。
 
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とても密閉性の高い蓋を外すと、中からはお茶。紅茶だそうだ。とても芳醇な香りがする。西洋紅茶とも異なる香り。素晴らしい。
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私が陶芸するなんて話したこともない。お茶が好きだと話したこともない。率直に言って、かなり私の好みに合った贈物でとても嬉しい。
 

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夕食は外灘にある石造りの洋館の中にあるとてもお洒落なイタリアンレストランで、ミシュラン三ッ星レストランだという。窓からは素晴らしい眺め。
 
 
今や、東京より物価の高いと言われる上海。お安くないわな。ここまで歓待されると、何が見返りとして求められているのかほんのり背筋が寒くなる。とてもハンサムな覚えもないし、性格が良くて大好きだと思われている覚えもない。単に私のことが好きで贈物をくれたと思うほどおめでたい思考はしていない。
 
 
この「タダ」は滅茶苦茶、高くつくかもしれない。「あんなに気を遣ったのに、あいつは何もしてくれないよ」みたいに後ろ指をさされやしないか。