ん、美味い。高円寺に復活「なんでんかんでん」

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最盛期には年商5億、6億円を数え、マネーの虎という素人の事業プランへの投資審査番組の審査員もやっていたという川原ひろしさんのラーメン屋「なんでんかんでん」。

 

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6年前に全店舗閉店してしまい、社長は借金を負い、催眠術士をしたり、「あの人は今」的なテレビに時折、取り上げられたりしつつも着々と再起を図っていた様子。そして満を持して高円寺PAL商店街の入口、高円寺駅南口徒歩2分の好立地に復活オープン。初日は21時の時点でも20人ぐらいが店外に列をなしていた。

 

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ちなみに自分はラーメン評論家でもない、単に時折ラーメンを食べるそこらの客でしかない。高円寺にできたから足を運んだだけで、これが新宿か荻窪ならば興味を示さなかったかもしれない。その程度の客だ。

 

普通のラーメン770NDを普通の麺の固さで頼んだ。NDはおそらくは通貨単位「なんでんかんでん」で実効レートは1ND=1JPY。インフレしないかな。

 

 

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麺の固さは「普通」を頼んでも、なかなか固い。その上には「固め」、「バリカタ」、「ハリガネ」、「粉落とし」と固さを選べる。案外、もちもちと噛み応えがあって麺が美味しい。

 

スープは豚骨ラーメン。私の中には「ばりこて」の博多とんこつラーメンしか比較対象がないのだけれども、「ばりこて」のものより濃厚というか、こってりコクがあるように感じる。その脂質の高そうな味でもってジャンキーなモノを食べたい時の満足度は高い。食後5時間経っても腹にずっしりと重い。ダイエット腹には重すぎたか。

 

替玉は150NDと良心的な値段。

 

高円寺駅前にいて、こってりラーメンが食べたくなったらこれからは「ばりこて」まで足を運ばなくても良くなる。十分満たされる味だ。その逆も然りで東高円寺、中野からはわざわざ「なんでんかんでん」までいかなくとも「ばりこて」で満足。博多とんこつラーメンの美味しい店が高円寺界隈に増えたということは確かだ。

 

ふと見ると、プラスチックどんぶりの「なんでんかんでん」の印刷は擦れて掠れているのに気付く。6年前に閉店した後も保管していたのか。再度店を持つときも2018年のラーメン業界の流行りに合わせて全く新しい店名やコンセプトで再開業するのではなく、あくまで「なんでんかんでん」を復活させたかったのだな。泣かせるじゃないか。

 

乗ってる海苔はしくじり先生に出演時に作られたものなのか。それとも、再度作ったのか。

 

ところで、復活に伴ってメディアに記事が出回っていた。とある媒体で、1月には本人が「近年、新規オープンした店の多くがスープを工場から仕入れているの。要するに「店でスープを作ってない」ということ。「どこどこの店と同じようなスープを作ってほしい」と頼むと、そこそこ似たようなスープを入手できる。私は30年間、店でスープを炊いてきたので、残念な気もするけど、否定はしない。なぜならば、スープ工場のレベルも上がっていて、正直「美味いい!!」なんです。」と語っていた。最近の復活の告知インタビューでは「自社のスープ工場を構えることができた。これで全国にフランチャイズ展開できる環境が整った。」とも語っている。最近のスープ工場で事前に作り置きしたスープは昔に比べて遥かに美味しいらしい。でも、そんなこと、おおっぴらに語る必要はあったのだろうか。

 


「客はラーメンを食っているんじゃない。情報を食っているんだ」

「人はマスコミやインターネットに載った裏付け情報があって初めて、『美味しい』という感想を持つ」

漫画『ラーメン発見伝』(小学館)に出てくるラーメン店の店主のセリフだそうだ。

セントラルキッチンでスープを大量生産し、現場では固めやバリカタの麺をさっと茹でて出すとなると提供の時間は早くなるし仕込みも楽だ。それで美味しいのならば文句言う筋合いもないのかもしれない。しかしスープ工場で安定して大量生産したスープは川原さんが店頭で炊いて作れる最高のスープに比べて同等かさらに美味しいと言えるのだろうか。

 


「よりフランチャイズ化して儲けられる体制を整えての再勝負」が「さらに美味しい最高のラーメンで再勝負」に勝ってしまってる気がする。まあ、ラーメンは美味しいし、店頭で炊いた最上のスープとの比較もできないので、これこそ情報を食ってるのかもしれないけれども、夢を見させてくれ。

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水餃子もモチモチとして、タネに臭みもなく、味もしっかりして美味しかった。この袋のタレはどうにかならんのか。餃子のタレに拘らないならそれでもいいけれども、客にとって袋を切って入れるのは外食としては興醒めだし面倒だから醤油差しのような容器に入れて欲しい。


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ほぼ「博多屋台よかたい」を居抜きで利用しているようで内装もお金をかけて改修してはいない。ラーメンの味だけで勝負するという覚悟や良し。一風堂や麺庄とは違ってても良い。あとは人の好みとターゲット顧客の問題だもの。

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店員さんはとても迅速で元気な接客で心地良い。5人もいるのは、開店ラッシュ対応もあるのだろうがもう2店舗目を見据えたトレーニングのような気もする。案外、2店舗目は早いのではないだろうか。

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11:00〜01:00

定休日は。。。無し。固定費をしっかり稼働させる様子。日曜の深夜までやっているラーメン屋は貴重だ。覚えておこう。