山茶花、山茶花 咲いた道 そして箱根「天山湯治郷」


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箱根の街を強羅から宮ノ下へ、箱根湯本から天山湯治郷まで歩いた。道路は車が登れる傾斜内にするために蛇行しているが、それらを最短で横切るように住民用の急な坂の生活道路があちこちにある。それらを、突っ切っていった。

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誰も通行人のいない、山茶花が長い壁をなす裏道に出た。燃えとるな。地面を鮮やかな紅に染め上げるのは花の塊がぼとりと落ちる椿よりも花弁をはらはらと落とす山茶花に軍配が上がる。

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それにしても見事。


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ふと立ち止まると深い秋。

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函嶺、平賀敬美術館という子連れでは行き難い個性的温泉施設は二つとも休館中だった。冬に行くと人は少なく空いてはいるが休館の可能性も高い。

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そんなわけで天山湯治郷まで歩いていった。

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肝心の風呂はというと、箱根ならではの山に囲まれた眺望はなかった。東京近郊の人気スーパー銭湯でもあるレベルかもしれない。無論、それらよりも泉質は良いのだろうが。

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何せネット上の写真が奇跡の一枚すぎるのだよな。まず、こんなに綺麗ではない。もっと古びている。しかも、露天であればこれはサウナの前の柵と建物の間から撮ったであろう視点だし、下の半露天風呂は奥の洗い場のカランの上から写真を撮らないとこうは写らない。風呂に入って実際に見る視点ではなく、よく見せんがために利用者が通常は立たない視点で撮られている。

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入場料は1300円。不満なほど何かを欠いているとは思わない。しかし、箱根に来たからには何かもっと非日常な温泉風情が得たかった。

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休憩所は川に面し、ごろりと横になれる。膝掛けもある。自販機もすぐそばにあり、ビールやジュースも飲める。

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姥子温泉が比較対象になってしまったのが悪い。そもそも、姥子温泉がひっそりとした湯治場文化遺産温泉として維持保存されているのは同じ経営母体である天山湯治郷の売上収益のおかげなのだから。

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ところどころに共通する「粋」な美意識を感じる。「ひがな湯治 天山」は入場料1300円で中には食事処や休憩所が充実。「かよい湯治 一休」は露天風呂だけの施設。さらには1泊目9000円、2泊目8000円、3泊目7000円と連泊するごとに値段が安くなっていく「逗留湯治 羽衣」の三施設があり、羽衣に滞在すると天山と一休の両施設が利用できる。