鹿頭骨鉢釉掛け、還元焼成数点窯出し

学び

  • 渋柿釉の薄掛けに鉄絵の上から藁灰白萩を掛けた還元焼成の組み合わせは好み。
  • 素焼き前の乾燥しきった状態からはもうさほど縮まないことを再確認。
  • 真円の器はまだ柔らかいうちに歪み取りをすると良い。
  • 呉須の厚掛けは加減が難しい。

 

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鹿頭骨鉢の初号が素焼きされて出てきた。これから素焼きされる右の二号と並べてみると、さほど縮んではいないことがわかる。素焼き前に乾燥させる段階で殆ど縮み切ってしまうことを再確認した。

 

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過程の写真は撮り忘れたが、骨の癒合部や輪郭に鬼板で線を描き、チタンマット釉にドブ漬けした後にさらに癒合部や輪郭にマンガンで線を書き入れた。チタンマット釉はかなり薄く掛かっているので、これがどのような仕上がりに現れるかはわからない。強度向上のために鉢の内側もチタンマットが施釉されている。

 

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二酸化マンガンはほんの少しばかりだけ滲んで流れてくれたら良いのだけど、チタンマットが薄いので効果のほどはわからない。

 

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植物の植わる角の穴と、水を注ぐための頸椎の穴。真円に整えることもできるのだが、どちらがいいのだろうか。今回はふにゃふにゃとしたままでいく。

 

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底面も施釉されているので、3点の道具土の上に乗せて焼成してもらおうかと思う。さあ、鋳込み初号がどのように酸化焼成で焼き上がるか、あとは待つのみ。

 

 

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昨年末から放置されていた素焼きの植木鉢にもついに施釉。鬼板で篆書体で四字書き、さらに上からチタンマットをドブ漬けした。

 

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こちらもチタンマットのドブ漬けに縁を二酸化マンガン。確か、チタンマットというやつは赤土には綺麗に発色しなかったような気もする。薄掛けだと単なる淡い茶色かもしれない。もう、焼き上がりを待つしかない。

 


還元焼成した数点が焼き上がった。総じて言えば勝負に負けた感じ。期待を超える作品にはならなかった。

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渋柿釉なのだが薄く掛けたので赤味を帯びている。敢えて盛大に指跡を残し、そこに鉄絵で文字を書き、上から藁灰白萩釉を掛けていた。

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文字は判別不能になったが、好みのアクセントになったと思う。これがないとあまりに平凡な蕎麦猪口酒杯で終わったと思う。渋柿釉の薄掛けに藁灰白萩の還元焼成の組み合わせを覚えておこう。

この作品の難は口径が歪んだこと。いっそのこともっと歪ませるか、まだ柔らかい段階で歪み取りと言って丸い椀の裏に縁を当てるなどして矯正してやるべきだった。また、一筋釉薬が垂れて色調を乱しているのが残念。

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自分専用酒杯。90mlほど入れられる。下部が藁灰白萩釉、上は柿渋釉薬だが一部、藁灰白萩釉の上に柿渋釉を重ねた。重なった部分は黄瀬戸釉が透明なままに色調がくすんだ色に発色した。私が日本酒を食中酒として飲むペースに90ml程度はちょうど良いことがわかった。

 

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今回の一番の大物はちょっと残念な焼き上がり。一号透明釉は陶肌がテカテカとしすぎる。鬼板があまり鉄らしい滲みがでなかった。剣山を置いて花を活ければあまりに地味すぎるこの花器も使いようがあるだろうか。