陶芸始め。先生が今年の干支の盃を持ってきてくださっていた。
写真ではわからないが、この盃はとても薄く均一な厚みで作られており、基礎的な技術力の差を嫌という程、思い知らせてくれる。陶器は厚ぼったくて重いから繊細で薄く硬い磁器が良い、なんていう人がいるが、陶器でも技術さえついてくればこの通り。絵も繊細で、それでいて写実的になりすぎず可愛らしい。
いつのまにか、戌年が終わってしまった。マンゴー殿の一生において最初で最後かもしれないのに、戌年にまったくそれらしいものを作っていないことに後ろめたさを感じた。
いや、今年はまだマンゴー殿生誕10年の記念的年だ。何か作ろう。
そんなわけで狗頭陶仏を自宅で作ってみた。制作時間は40分の即興的産物。ヘタウマを目指している。端正で細かいものよりも、ほんわかとした印象になってくれるのではないかと楽観視している。
薄く筆で釉掛けした。雲と布は信楽白土、黒土の身体には薄く伊羅保を塗った。殆ど飛んでしまって焦げムラとなってくれるのではないかと思う。頭の後ろの輪だけを信楽白土を塗った上にトルコ青釉を塗った。一箇所だけ艶があっても良かろうかと思う。
本来ならば素焼きをしてから本焼きするのが安全なのだろうが、面倒だから一発で本焼成することにした。
無論、植木鉢。後部に穴を二箇所開けてある。ガーベラのようなエケベリアをひょろひょろっと頭上に生やしても良いし、脇の下から多肉かサボテンの群頭株を生やしても良い。
無事に焼けてくれることを祈る。白い壁のニッチにでも置けるものができたら嬉しい。ほかにもマンゴー殿のオヤツ台でも作って差し上げるか。
年末に水に漬け込んでいた信楽白土1kgを攪拌し60のメッシュで濾し、水ガラスを小匙すりきり一杯加え、泥漿を整えた。
14:13鋳込み。
14:17 補充1回目
14:21 補充2回目
14:35 泥漿排出
15:25 石膏型外し
冬だからか、50分待ったものの持ち上げるだけで歪むほどに柔らかかった。一部、型を外す際に千切れた。もしかしたら泥漿の水分量が多すぎたかもしれない。
今回は眼窩に仕切りを作ってみた。金網か何かを使わずに土が溢れ出ないようにしながら土の入れられる高さを上げられる。
眼窩の周囲を薄く尖らせてみた。頭骨は薄くシャープな方が存在感は増すような気がする。次回、もう少し削っていく。
毎回、作るごとに発見があり、改善が見られているのではないかと思う。ほぼ同じものをこれだけ何度も作るのも初めてだ。それもこれも石膏型のお陰か。植え込んで期待通りのものになりますように。
今年はどこまで作陶できるだろうか。陶芸が上手くなりたい。容姿が良くなるよりも、話術が上手くなるよりも、人気者になるよりも、作陶が上手くなりたいように思う。なぜ、陶芸なのかはわからない。つまりは好きってことなのだろうよ。