豆鹿頭骨鉢制作記録まとめ。
鋳込み型は石膏製。
泥漿は信楽白土1kgを溶いた分量が最低限必要。
初めての鋳込み
原型を作る。突起があると型が抜けなくなるので三次元的に複雑な凹凸は作れない。
原型にカリ石鹸を表面から染み込んで水を弾くようになるまで何度も筆で塗り、水で流し
また塗り込む。3回繰り返した。黒土で原型を作っているとカリ石鹸の効果が視認しやすい。
型は左右の二分割が最も楽だが、形状は制限される。少し複雑になるが四分割の石膏型にした。
パーツごとに粘土に原型を埋め込み、石膏型を作る部位ごとに露出させる。粘土の壁は可能な限り滑らかにする。
原型と粘土の境目に隙間があるとバリとなるので可能な限り面に対して垂直に粘土壁を作る。
ダンボールに撥水性のガムテープを貼って壁にしても良い。ビニールテープなどできつめに周囲を縛った後、さらに板を差し込んで締めると良い。隙間があると石膏が流出してしまうので注意。
石膏の型が合わさる片側には位置合わせの窪みを作る。
そこに石膏を流し込むと凸型、凹型で組み合わさる石膏型の組みができる。
石膏は洗面器の9割ほどの水位まで水を張り、吉野石膏が水面のすぐ下までヒタヒタになるぐらいに石膏の粉を投下していく。余計な上水を切った後、手際よく棒などで100回ほど撹拌する。
撹拌後、型に石膏液を流し込む。
石膏は発熱し完全に冷めるまで待つ。
複数回に分けて石膏型を作る際には必ずビニール袋に入れてムロで保管し、原型が乾燥しないようにする。
石膏型はよく乾燥させてから使う。
泥漿は白土を細かく砕き水に浸しておいたものを手で潰し、メッシュ60の「ふるい」を通す。柄杓で掬ってこぼす際にボトボトと途切れず滑らかに流れ落ちる粘性まで水ガラスを加えて調整する。
冬ならば泥漿を流し込んで15分ほどで石膏からこぼして抜き出す。さらに40分ほど乾燥させて型を外す。泥漿を鋳込んでから流し出す時間が短いほど粘土厚は薄くなり乾きやすくなる。あとは強度との兼ね合い。
型から抜き出したら眼科や角、鼻先などをくり抜き、細部を整える。
鼻先は二つに割れている方が良い。
縁も薄くする方が全体が薄く作られている軽い印象となる。
骨同士の接合部は剣先で線を彫り込んで表現する。
素焼きしたらあとは好みの釉薬をかける。
骨らしさを強く出している白版。チタンマットだと艶がある。白マットか白鳳釉にして鬼板の縁取をもう少し滲ませたい。
金ラスター釉。室内の暖色灯の下では鉄のような色合い、太陽光の下ではブロンズ色に鈍く光る。
植物屋で見つけた予想外の素材が見事に嵌ってくれた。角が枝分かれしていない、レイヨウのような直線角の鹿となった。
細部も気に入った。しかも乾燥しているのでとても軽い。
葉モノはどうか。
枝分かれの度合いは一番強い。
風変わりな実モノも差してみた。いろいろとドライプランツを飾る器として使えるかもしれない。
せっかく、石膏型で同寸法で作れるので三つほど壁に掛けて並べてあげるのが楽しい。二つだと動きに乏しいし、四つだと多すぎる。三つ並べるのがバランスが良い。
鮮やかなトルコ青や緑、ピンクなどのカラーバリエーションも作ってみたい。呉須や弁柄で模様を描いた作品も作りたい。
願わくばこのシリーズの作品を売って作陶材料費や焼成費を賄えるようになりたいのだがな。