杭州 西湖の湿地。12世紀時点での世界最大都市の巨大市民公園。

1週間の出張会議を終え、今回は高速鉄道で1時間で杭州へ。78RMBの2等席に乗り、3RMBで杭州東駅から西湖に最寄りの地下鉄駅へ。そこからはひたすら10kmほど湖畔を歩いた。

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上海から少し足を伸ばすだけで朱角家の水郷の夜の静けさと落ち着きは素晴らしかった。そこで今回は北へ、南宋の都、杭州へ行ってみたらまた喧騒から離れた落ち着きのある中国が見られるのではないかと期待した。

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なんでか知らないが、この日は上海も杭州も靄がかかっていた。別に写真の彩度を落としているわけでもなく、空は白く景色に色がない。シャボン玉が一つ飛んできて、それだけ光って見えた。

とかく広い。ひたすら広い。

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木々に囲まれた湖面は波が立たず静かで鏡面のよう。

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公園内はあちらこちらに東屋があり、市井の人々の憩いの場になっている。

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タキシードとイブニングドレスで写真撮影している人達もいた。

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湖面に映ることで真円に見える石橋。なるはど、霞みがかった空にとけるような水辺を描いた水墨画は誇張表現だと思っていたが、このような景色は中国では現実で観られるのだな。モノクロに変換したらもう水墨画になりそうだ。

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さらに西湖の北へ北へと歩いていくと、林の中に小さな宿泊コテージのある一画も。

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これはなかなか素晴らしい景色。木の生えた小さな島々を水面が取り巻く。

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西湖の北側湖畔は湿地帯になっており、ここまでくると観光客は少ない。小説でも持ってくるべきだった。人のいない視界に邪魔なものが入らない一画を探してのんびりと小説を読めたら最高だ。


写真で観ると現物の2倍増しに清浄で静謐に思えるかもしれない。実際は石やコンクリートで徹底的に舗装され、尾瀬や日本の渓谷の清涼感があるわけではない。巨大市民公園なのだよな。歴史を感じる雄大な湖というものでもない。上海にいたら息抜きに来たくなるのかもしれないが、若干期待はずれではあった。


観光ガイドで目にする絶景を期待してくるとかなりがっかりするかもしれない。