親の血も騒ぐ3D プリンターで作るミニ四駆教室

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東急ハンズで小学生1年生から参加できる3Dプリンターで作るミニ四駆体験教室に参加してみた。3時間で4500円、参加費は安くはないが、1回の参加者は3名までなので店側も儲けは出ないだろう。一人でも好きな子供を増やすための啓蒙活動か。

 

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事前にパーツデータ化された部品をソフト上で選択していくお手軽設計なのだが、パソコンを触るのが初めての息子には未知の領域。画面上で拡大したり回転させたりするだけでも楽しい様子。

 

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モデリングソフトで作成したボディ部分を選択して3Dプリンターに読み込ませる。1レイヤーは0.4mm、密度20mm3。この3Dプリンターでは最小1レイヤー0.15mmまで細かくできるらしいがそうなると数時間はかかってしまう。今回は体験ということで最大スピード設定にした。

 

 

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それでも1時間ぐらい出力に時間がかかるので、その間にミニ四駆を組み立てる。ニッパーやペンチ、ドライバーが用意されていて手軽。

 

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3Dプリンターは白のABS樹脂が使われる。1ロールで5000円ぐらいするとのことなので、さほど精度の高くない3Dプリンターでも作品を作るのはそれなりにお金がかかる。

 

プリンターヘッドの動きを見ているのは楽しい。まさに縦横無尽な動き方。

 

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疎な部分が支えとして敢えて作られる。これは支えのようなもので、完成後にバリバリと剥がすことになる。支えを出力しなければ作成速度は上がるが歪んだり倒れたりするリスクも上がるのでそのバランスが設計センスなのだろう。

 

 

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3D プリンターから外したところ。

 

3D プリンターの出現によって工業製品の生産サイクルがとても早くなりなおかつデザイン性が向上したらしい。かつては工業デザイナーのデザイン画を元に型制作師が木型を作ったのだが、細かい修正のためのやりとりが時間も金もかかったし、デザイナーが納得いくまで細部にこだわることは難しかった。しかし3Dプリンターによってデザイナーが細部までこだわりつつも微調整を繰り返すことが容易になったそうだ。

 

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完成。オリジナルのボディを既製品シャーシに取り付けられた。この後、家に帰ってペンで子供達が着色した。

 

高円寺には一昨年までミニ四駆バーがあったのだが閉店してしまった。こうなったら自宅でコースを手作りしないといけないのか。そういえば小学生の頃、2レーンのコースを段ボールで作ったっけ。昔のミニ四駆愛が少しばかり復活するかもしれない。

 

 

3Dプリンターで作陶するのも普通になっていくかもしれない。1軸の轆轤では作れない複雑な形の陶器を作れるようになるのだろう。素晴らしいような、つまらないような。

 

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(zbrushjapanサイトから拝借)

超絶技巧のフィギュアを見かけるようになったが、これもなんとzbrushというデジタルスカルプチュアソフトで作り込み、3D プリンターで出力したものだという。ソフト上では拡大して細部を作り込んだり、テクスチャーを実装して素材感を変えたり、部品を同寸法で複製してつけたりできる。粘土の乾き具合に悩まされる必要もなければ、凹ませたり脹らませたりも自在。重力や強度を比較的気にせずに細かい造形ができる。

ソフトも高精度3Dプリンターも高価だけど、デジタルデータなので複製もできてしまう。率直なところ、なんだか、チートではないかと思ってしまった。技術革新についていけない旧世代のリアクションだ。