赤味の強い赤土4号と信楽白土を使い分け、下半分にだけマグネシヤ釉を掛けて酸化焼成した。
土台を水彩メタリック塗料で黒く塗ったら印象が引き締まった。
誰のウケも気にせずに自分が作りたいように作る作品は楽しい。全く用途のないオブジェのようでありながら植木鉢という目的を持っているのが自分なりのこだわり。何が主目的か曖昧な存在。
上腕二頭筋と三頭筋のパンプアップぶりはゴールドジム通いのゴリラタンク着たビルダー水準だよな。
薬指だけ軽く曲げて動きを出したのは頭の片隅に観音像の手のイメージがあったからかもしれない。
ハンギングプランター用の軽量土を入れ、クラッスラ「赤鬼城」を腕橈骨筋、「火祭」の切苗を上腕二頭筋、三頭筋に植え込む。
「赤鬼城」も「火祭」も似た品種だが、「赤鬼城」のほうが葉が肉厚、葉が細く、耐寒性も強いとされている。
秋冬にかけて気温が下がると真っ赤に紅葉する美しい多肉植物なのだが、11月に入ってから植え替えるのは遅すぎる。寒さに当てようにも根が張っていない。無理をすると越冬できない。
今年は我慢して来年の紅葉に向けてじっくり育てていくべきだろうな。
夜の蛍光灯下よりも朝の自然光のほうが植物は魅力的に写る。
全体が浮いて見えるようになったことで、アクの強い骨肉の存在感がとても軽くなった。陶器の造形力は凄い。
「赤鬼城」と「火祭」が真っ赤に紅葉すると、まるで血飛沫のようになる。来年の秋が楽しみだ。悪趣味という意見は受け付けない。ほっておけ。
骨格標本的な「静」と紅葉の「動」。
白土と赤土。
骨と血肉。