ギックリ腰備忘録 ネットには急性期の対処法情報が少ない

ギックリ腰になった。自分はギックリ腰などとは無縁だと思っていたし、ギックリ腰になる人は不摂生なのではないか、運動しなさ過ぎる人がなるのではないか、少なくとも50歳以上の人がなるのではないかと思っていた。自分がなることを予想だにしていなかったので、なった場合の対処方法にも無知だった。

ネットにはギックリ腰になった直後の急性期処置方法の情報が少ない。整骨院に通院できる人を対象にした回復期の指南情報が殆ど。要は、通院できるほどに回復した見込み客向けの営業情報が殆どで、身動きできない最も困った状況下を助けてくれる情報が少ないことがわかった。

  • 横になれるならば横になり、脚を高い位置に置く。患部を冷やせるならば冷やす。
  • ギックリ腰になった地点が冬の屋外で雨が降っていると致命的。幸いにして工房内だったが、動けずにじっとしている間にも体が冷えていく。→助けてくれる人がおらず、屋外ならばスマホで119番で救急車を呼ぶべき。スマホが使えないならば恥を捨てて叫んで助けを乞う。
  • 立てないぐらい重いギックリ腰ならば数時間休んでも回復はしない。むしろ悪化していく。→動けるうちに室内に移動して安全確保し、自宅で世話してくれる人がいるならば帰宅、世話してくれる人がいないならば救急車を呼んで入院する覚悟を決める。
  • 世話をしてくれる人がいるならば自宅療養でも構わない。医者に診てもらっても急性期はどうせロキソニンやロキソプロフェンなどの鎮痛剤を飲んで炎症が収まるまで数日横になって静養するだけだ。(ただし、内臓疾患由来の可能性があるならばこの限りではない)
  • ギックリ腰になった場所にタクシーを呼ぶにも、タクシー会社の番号がわからない。→スマホで調べる。自宅の場合はタクシー会社に事前に住所を登録しておくのがオススメ。機械応答で登録自宅住所まで10分程度で配車してくれる。
  • ギックリ腰になった地点からタクシーに乗るまで、タクシーから降りて家のベッドに辿り着くまでどうしたら良いかわからない。→私は幸い杖代わりに使える棒があったが、それでもわずか数メートルの移動がしんどかった。この移動が無理そうならば諦めて救急車を呼ぶべき。
  • 温めるのが良いのか、冷やすのが良いのか異なる情報が錯綜。→総合的に急性期は幹部を冷やし、回復期に温めるのが良いらしい。「ギックリ腰は腰の捻挫」との例えが分かりやすい。
  • 痛くて歩けなくてそもそも病院に行くことができない。→ギックリ腰直後よりも数時間後の方が悪化している可能性も高い。帰宅して世話してくれる人がいないならば救急車を呼んで入院すべし。2日ほどしたら歩けるぐらいには回復することも多い。
  • 背骨の前側の筋肉を痛めた場合は背筋や背中、尻、後側の筋肉を痛めた場合は腿や脛の筋肉が患部を庇うように緊張して硬直している場合も多い。これをほぐすと歩きやすくなる。
  • 回復までどのくらい日数を要するのかわからない。仕事を休むかの判断に困る。→ギックリ腰発症後に動けないほどの状況ならば直後2日は無理だと諦めておいた方が無難。早めに休む連絡をした方が気が楽になるし療養に集中できる。

乱暴に言えば、ギックリ腰になった直後から移動もままならないほど痛みが激しいならば救急車を呼ぶ以外にできることは少ない。

帰宅しても世話をしてくれる人はいるか。携帯電話を充電して療養する枕元に置けるか。立って冷蔵庫を開けなくても、立って蛇口を捻らなくても水分を補給できるか。調理せずに食べられる食事が手元にあるか。トイレに自力で行き来できるか。暖房を自力で点けたり消したりできるか。それらに不安があるならば救急車を呼んで入院した方が良い。動けるうちに、スマホの充電が残っているうちに。


ちなみに2日後にようやく自力で整形外科に行くことができた。痛い腰を庇いながら普段の三倍は遅い足取りで向かった。

レントゲンを撮るとL5と呼ばれる仙骨のすぐ上の第五腰椎が斜めに曲がっていた。左右のうち右の腰方形筋が過度に緊張したままになって腰椎を引っ張り続けているのが原因だそうだ。筋肉によって骨がこれだけ歪むとはびっくり。おそらく、無理な体制で重いものを持ったまま前屈みになった際に腰方形筋が断裂したか筋膜を損傷したのだろう。
ギックリ腰は関節由来のもの、筋肉由来のもの、内蔵由来のものがあるそうな。私の場合は明らかに筋肉由来のものとのこと。さらに筋肉由来原因範囲は背骨の前、神経、後方に大きく分けられるらしく、私の場合は背中側の腰方形筋損傷と思われる。

療養方法としては薬、コルセット、注射など。電気治療とマッサージもしてもらい、投薬で対応することになった。電気治療で患部周囲の筋肉を弛緩させるとだいぶ楽になった。さらに先生に腿や脛、腹横筋、内腹斜筋など前側の筋肉をほぐしてもらうと、ようやくまともに腰を伸ばすことができ、真っ直ぐに立って歩けるようになった。後ろを痛めたら、後ろをほぐすのではなく庇うように硬直する前側をほぐさないといけないようだ。

仕事はコルセットを装着して乗り切る。痛みがひどいようならば経口薬よりも座薬が一番効果があるそうな。コルセットは仕事で負担がかかる時に一時的につけるのは仕方がないが、していると筋力が落ちて回復が遅れるそうだ。長く安静にしすぎてもダメ。3日目以降は日常生活の範囲で体を動かすと回復が早まるそうな。

危険な日常動作は皿洗いや歯磨きなど、前傾姿勢を取る作業。その場合は脚を前後に開き、膝を洗面台に押し当てて体重を逃すと緩和されるとのこと。



ギックリ腰は再発しやすいそうだ。再発防止には腰のインナーマッスル、深筋や体幹を鍛えて肉のコルセットを纏うのが良いらしい。駅前の24時間ジムに通ってみよう。最初は値が張るがパーソナルトレーナーをつけて正しいマシンの使い方を習おう。仕事が積もって腰が張ってきたら、逡巡せずにマッサージ屋に行ってほぐしてもらうのも良い。
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ジムやマッサージにお金をかけるのは過剰な贅沢のように感じる貧乏気質が私にはある。しかし仕事を休まずにしっかり稼ぐためにも一番重要視すべきは体のメンテナンスだと再認識。もう若くはないのだ。悲しいけれど。