豆鹿頭骨鉢 X「唐印」

カランコエ属の「唐印」を豆鹿頭骨鉢に植え込んでみた。鉢内の土の量が植物の大きさに比べて少ないので根付かずに枯れてしまう可能性が高い。生き延びても一気に茎が細くなってしまうだろう。 

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漫画や映画でマッドサイエンティストが人間に遺伝子やら特殊能力やらを移植をし、多くが拒否反応を示して亡くなってしまう。主人公だったりメインキャラクターが数少ない適合した生存者だと後になって判明する。多くの作品で見られるモチーフだが、自分自身も多肉植物を無理のある陶器鉢に生体移植しているマッドサイエンティストであることに気づいた。

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 白信楽土で作りマグネシヤ釉薬をかけて酸化焼成した鉢。それをさらに黒土を刷り込んで磨いたら、実際の骨に近い質感を得られたように思う。どうだろうか。

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 長くはもたないかもしれないが、唐印の葉が紅く染まるその中心から長い花穂を伸ばす造形が素晴らしすぎて角に仕立て上げずにはいられなかった。全体が彩度が低く統一される中で、唐印の薄緑と紅が目を引く。

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 薄暗がりの中で部屋の一隅を濃密な「静謐」「死」の気配で満たしてくれる。

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 今を切り取らねばと思って何枚も写真を撮った。せめて、印刷して部屋に飾りたい。枯れゆく様も同様に写真に収めていきたい。

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やはり、発根して鉢に活着して欲しい。骨から生きた枝が伸びていてこそ意味が増す。もう切られて殺された枝ならばそこらで桜の枝を買ってきて挿すだけで済んでしまう。生き延びてくれ、唐印。