「世の中にはすぐわかるものとすぐわからないものの二種類がある
すぐわかるものは一度通り過ぎればそれで良い
けれど
すぐにはわからないものは長い時間をかけて少しづつわかってくる」
映画より引用
いい映画だった。
静かな「間」と雨の音、水の音、雪の音。
陰影、木漏れ日。
繰り返し観たい映画だ。
私はどちらかというと理屈と効率性で雁字搦めの仕事の世界で生きている。理屈で明朗に説明できないものは曖昧であるか合理性に欠けた悪しきものであるかのように扱われる世界だ。
頭で理解しようとしてはわからないものがあることをリマインドしてくれる。
私の書斎にも三十三間堂で頂いた「日々是好日」と書かれた色紙を飾っている。醍醐寺管長筆の色紙もどこかにあるはずだ。この日を真丸にしているところ、好が繋がっている崩し方に愛嬌を感じられて好きだ。
「今を生きる。」
「この世の全ては自分の心がどのように受け止めて解釈するか次第。」
そんな感じに理解しているが、禅語は含意が深そうでよくわかってはいない。
孝行できる元気なうちの親との時間を大切にしたい。
茶道を習いたい。
気軽に普段から着物を着れるようになりたい。
嫁さんに着物を着てもらいたい。
書道を習いたい。
茶碗、水差しを自作したい。
毎冬、華を切り取れる藪椿が庭に欲しい。
吊忍の為の中ぶりの陶球鉢。
「聴雨」と陶器に刻みたい。
心に水紋を起こす一滴のような映画。いろいろと何かをしたいという意欲を湧かせてくれる映画は大事にしたい良い映画だ。