2月17日 窯出し
かなり厚く掛けていたように思うが実用性を妨げるような失敗はなし。陶蟲夏草 第三弾が無事に焼き上がった。
画一的すぎるとつまらないので、台となる鉢にもサイズや陶肌に変化をつけて遊んでいる。
まずは「黄金虫」。赤土4号、釉ちぢれがかなり起きている。釉掛け後の乾燥割れも起きていなかったので表面をヤスリで削った後に、スポンジで粉を綺麗に落とさなかったことが原因の可能性が高い。このような風情として愉しむ。
鉤爪はそのまま表現できた。
2鉢目は「兜虫の幼虫」。薄掛け。側部にドベを塗って土っぽい質感を出してみた。植え込んで良し悪しが見えてくると思われる。天板はしっぴきで切った跡をそのまま残してみた。
3鉢目は「大黒黄金」。蟲が赤土2号。かなり重厚感のある強装甲の黄金虫。初めて翅に縦筋を入れてみた。脚も刺々しい質感がうまく残った。土の透け感が良い塩梅。
4鉢目は「象虫」。蟲が赤土2号。ピンホールが発生している。私としては生、素焼き時点での造形の甘さが気に食わなかったが焼成後に見違えた作品。眼の表現、脚の頑健さ、象虫のずんぐりとした印象がうまく出たように思う。天面が水平ではなく、斜面がついている方が大きめの蟲を載せる際に脚が安定しやすくて良い。
5鉢目は「団子虫」。こちらは台の鉢に三脚をつけてみた。団子虫の小ささをそのままの印象に残す。
6鉢目も「団子虫」。こちらは台座の鉢に底がない作りになっていて、土による植込みではなく、水を入れた切花の一輪挿しを意図している。
やはり蟲は黒土で作るに限る。白い釉薬の下から赤土の蟲が覗いてもぼやけた印象なだけに思う。
第三弾も概ね満足のいく仕上がりとなった。成形から窯出しまで3ヶ月弱かかっているが、殆どが素焼き、本焼成の窯待ち時間で実際の作業日数は半日x4回といったところか。植込みが愉しみだ。庭の暴れ育った多肉植物を巧く収めたい。
2月14日 素焼き窯出し、釉掛け
窯出しした素焼きの蟲はささっと釉掛け。
この素焼き状態の土色の違いも見ていて面白い。アースカラーというやつで、このままでも本焼成したら飾りたい雰囲気ではあるのだが、ポロポロと壊れてしまう。釉薬で結合する必要がある。
薄く掛かって色が出ないのが嫌でどうしても厚掛けしてしまう。柄杓で上から掛け流し、息を吹きかけて胴や脚の周りの釉薬を吹き飛ばす。
11月27日 整形
右は大黒黄金、初めて後翅に縦の溝をつけてみた。
左は象虫。脚先の3つの節が今回のこだわり。
小型ダンゴ虫を2匹。だんだん、作るのが手馴れてきたような気がする。小さいし釉薬で細部が潰れてしまうので、厳密にしなくても良いのだ。
一匹30分から45分ぐらいのペースで作っていく。同じモノを部品を量産するように作っていけば倍量作れるのだろうが、一つ一つ異なる形にすると、これはどうしようかと思案しながらになる。それが愉しい。