御蚕様「小石丸」飼育開始

小学校で希望する家庭に蚕を配って飼育するのだという。授業の一環としてだ。


小石丸という日本在来の蚕種で糸は極細で繭から採れる糸は500〜600mと主流の改良種に比べると1/3程度しか採れないという。太さも不均一だが品質は極上でかつては幻の絹とも呼ばれた古代種だそうだ。昭和天皇の后、そして美智子上皇后によって飼育保護されていた蚕でもある。藍染などの染まりが極めて良いのだそうだ。

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先生が卵から孵化させてここまで大きく育てたものを3匹頂いた。平日は学校で育て、週末は家に持ち帰って育てていくそうだ。

それにしてもとんでもない大食漢でひたすら桑の葉を食べ続けている。哺乳類などのような睡眠は取らずひたすら食べ続けるのだという。そして定期的に眠という動かなくなる時期と脱皮を4回繰り返すのだそうだ。しかも一度でも桑の葉を与えてしまうと人工飼料は受け付けなくなってしまうのだそうだ。

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恐ろしいことに桑の葉が土曜で既に尽きそう。どうやら日曜日の早朝に桑の葉を探しに学校の敷地に行かないといけなくなった。どこそこの教室の前の桑が良いらしい。そんな情報交換が子供達の間でなされているそうだ。


嬉々として世話をしている子供達を見て微笑ましく思う。


私のジョギングに桑の葉探しの目的が加わった。昔はそこらによく生えていたそうだが、今や真っ先に伐採される雑木扱いなのだという。花が綺麗なわけでもなく、甘く大きな実の成るマルベリーとは似て非なるもので蚕は果実用マルベリーの葉は食べてくれないらしい。一瀬というヤマグワ品種ならば葉は養蚕に使え、食べられる実も成るそうなのだが、苗木がなかなか売っていない。こちらも気長に探そうか。

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取り敢えず2.5km先の公園に20株近く桑の木が植っている場所を見つけた。急場凌ぎに2枚だけ失敬したが、今後も公園で採り続けるわけにはいかないので方法を考えないといけない。

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家に帰って与えると食べ始めたので問題ないだろう。養蚕は桑畑とセットなのだと改めて思った。



子供に決めてもらわなければならないこと。

1.綺麗な繭玉を採るために蛹を茹でて殺してしまうのか、それとも羽化させて繁殖まで試みるのか。

2.夏休み中はどうするのか。2泊3日の家族旅行中はどうしたものか。