単に緊急事態宣言が明けただけでまだコロナ禍が去ったわけでもないから気を緩めてはならないのだけれども、陶芸工房の利用が再開されたのは嬉しい。回復への兆しと捉えている。
少しづつ取り戻していきたい。
友人と酒を酌み交わす日常。
同僚や部下と食事に出かけて話を聞く時間。
美術館や街巡り。
家族全員での外食。
夏祭り。
実家への帰省。
小窯で素焼きしたまま放置されてほぼ3ヶ月が経っていた。それをようやく窯出しする。素焼きは状態良好。
早速の計量は3kg近い、2500円ほどの出費からのスタート。
経過を撮ろうと思っていたが気付いたら終わっていた。羊鉢が2つに蟲鉢が4つ。マグネシヤマットが殆ど尽きていて、バケツの横の乾いた状態のものをこそげ落としてかき混ぜて掛けた。網濾してないのでダマがそのままだが今回はそれがどう残るのか実験してみる。所々盛り上がるだろうか。
右のムフロン羊はなかなか優しい顔つきに作れて満足している。左のマンクスロフタン羊は少し凛々しい感じか。何を植えようか悩ましい。
左に蝉の前半身の鉢、右にイキッた鍬形虫鉢。鉢に添わせるならばもっと現物のように細い脚にした方が良いのだろうな。しかし多肉植物を植えると日照や気温に応じて鉢の移動をすることが多々あって、あまりに細いと軽くぶつけただけで破損してしまうので最低限の強度を持たせたい。もう少し最適解への試行錯誤が必要。
こちらは兜虫が2匹、シロカブトとヤマトカブト。久しぶりに見ると造形に課題が多い。壊して作り直したい衝動に駆られるが素焼きしてしまっているので今更土に還るわけでもない。シャモットになるまで粉砕するのも面倒なので取り敢えず最後まで仕上げよう。
アイベックスのような角をもった氷河期の絶滅種のような山羊。取り敢えずがっしりとした低重心で安定感のある鉢にしたかった。
姫春星のようなサボテンをもこもこと群生させて背中に背負わせたいと思って作った。角の存在を目立たせたい。ちなみにこの山羊には致命的な欠損がある。
そして最後は呑んだくれ羊。そういや、羊は酒を飲むだろうか。松坂牛や神戸牛はビールを与えて肉質を柔らかくするという。羊はどうかわからないがビール粕を飼料に混ぜて与える羊農家はあるそうだ。胃の中の微生物が活性化して消化力が強まり食欲増産剤としても良いらしい。
羊は間違ってもこんな座り方はできない。なんだか私の願望が投影されすきた作品。毛皮はマグネシヤマット釉、着ているボロはマグネシヤマット釉をかなり薄めに希釈したものを筆塗りしている。盃を赤にしようかと思ったが、植木鉢なので色は抑制的なほうが良いと思いとどまった。
黒法師や夕映のような傘状になるアエオニウムを植えたい。
1230℃の灼熱で強く焼かれてくれい。
これを仕上げたら何の制作を始めようか。