奥羽自慢酒造 純米大吟醸「吾有事 夏辛+10」

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「吾有事は、曹洞宗の開祖 道元禅師の言葉。自分という存在と時間が一体になること。言い換えれば、やりがいを追求すること。酒造りにおいて、経過する時間や自分の存在を忘れて没頭する、という気概を込めて名付けられた銘柄。」吾有事ホームページ


私の母方の祖父母が山形ということもあり山形や秋田のお酒を愛飲しているが、こちらもその一つ。なるほど、東北の日本海側は曹洞宗が主流な地域だが吾有事は曹洞宗ゆかりの言葉だったか。



自分という存在と時間が一体化するとはどういうことなのか。今ここにある自分を受け止めるマインドフルネスの意識に近いのだろうか。一心不乱に時間も忘れて過去も先のことも考えずに没頭する。没頭は無我で心を空にした状態ということか。


そのような状態になれるのは作陶している時間ぐらいなもので、そのようなゾーンに入れることは仕事ではなかなかない。


およそ300年前創業の老舗蔵で20代の若者達が作るお酒。磨いた酒の華やかな香を競うのではなく、米本来の旨味や甘味を引き出す方向での新しい味を模索していくのだという。「田酒」のような方向性の新しい派流か。今後も楽しみだ。私もこういう、自分ならではの色を出していきたいものだ。

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夏辛+10は吾有事の米のコクというか旨味は感じられつつも弱まり、辛口のキレが増したお酒。そこまで吟醸香も強くない。特徴からすると5割まで米を精米せずにこの味は出せないものなのだろうか。

トウモロコシ土鍋御飯にトマトモッツァレラ、スペアリブのママレード煮の夕御飯と合わせて飲んだ。醤油バターの香るトウモロコシご飯とガッツリとしたスペアリブには夏辛は合う。もっと暑い時には、レモン炭酸水で割ってジョッキでグビグビ飲むのも最高だ。