子供にせがまれてネット予約して訪れた国立科学博物館だったけれども、私としても地球館の常設展示に大いに収穫があって楽しめた。
衝撃を受けてしまった。偶蹄類の耳はこんなに頭の後ろにあったとは。あるいは角が私の想像以上に額の前の方にあったということかもしれない。
これなんて、角は目の上にあり、耳は遥か後方。国立科学博物館の地球館の世界の動物の剥製標本の展示方法が秀逸で一部が真上からもガラス製の床越しに見られるようになっている。
こちらの真上からの光景で確定的。鼻から目、耳、角の順番かと思っていたが目と角、耳の順だった。通常の横から撮られた写真を見返してもそのように見えるので注意深く見ればその構造に気付けるのだろうが、私は先入観からか耳の位置を全くもって勘違いしてきた。そもそも資料を見ながら作陶してない。
この目の形は覚えておきたい。上瞼と目尻は直線的。目の下部の輪郭は直線的。優しげな愛嬌のある理想的な目の形かもしれない。それにしても美しい生き物だね。美味しそうでもある。
日本列島に生息していた古代鹿「ヤベオオツノシカ」。キリンのような大きさだ。
絶滅した古代の鹿メガロケルス属の「ギガンテウスオオツノシカ」。事実は創作より奇なり。いやいや、こんなに大きな角があったら不自然すぎるし頭が重たくて仕方がないだろう。生存に不利になるし非現実的だよ。
陶器で再現泣かせな巨大な角と根元の細さ。無事に焼成できてもすぐ折れそう。幼獣から成獣になるまでどのように角が成長していくのかも気になる。相似形で巨大化するのか、枝から板に変化していくのか。それにしても背骨よりも太いのではないかと思われる頚椎の太さよ。
咀嚼するには不便すぎる牙の古代虎「スミロドン」だとか
手前下方向に牙の生えた古代象「デイノテリウム」だとか
新生代四期のメガファウナと呼ばれる巨大獣類の大量絶滅前は獣達の過剰発達のファンタジー世界に思える。やはり性淘汰の産物なのだろうか。「ヘキサメリックス」という6本角の鹿もいたらしい。
巨大な獣類の角と毛皮で作った住居もゲームの世界さながら。
自然史博物館の類は創作アイデアの宝庫。