東京檜原村での川沿いキャンプから1日空いて秩父へ。子供達を外に連れ出して疲れさせるのが目的化している。
- 茅葺古民家に泊まれる
- 天候が良ければミヤマクワガタの灯火採集に参加できる(予約制)
- 灯火採集ができなくても天気が持てばカブトムシやクワガタムシ採集ができる
- 家族風呂が2つ。緩和性弱アルカリ鉱泉の檜風呂。
- 冷房はない。自販機もない。8月は寝苦しい。部屋に鍵はかけられない。隣室の声は聞こえる。そういうのが気にならない人向け。
着いた。立派な茅葺の建物があった。
犬小屋です。主人が1日で葺いたそうな。
14:30に着いたら15:00のチェックインにはまだ早いものの部屋へと通してくださった。とても綺麗にされている昔からの日本家屋で移築したわけでもなく昔からここにある建物のようだ。
さすがに旧式電話機はもう機能してないようだが。トイレは洋式が4つ。
昔の蔵にあるような傾斜のきつい階段。これを登った2階の部屋に通して頂いた。
20畳の大部屋と12畳の部屋がある。
もう風呂も沸いているというので早速、お風呂を頂いた。全く期待していなかったのだが緩和性弱アルカリ鉱泉だそうで、もしかしたら温泉とまで言えないが温度の低い鉱泉を沸かしてくださっているのかもしれない。
丸いレトロタイルに檜風呂。窓を開けると風が入ってきて、ああこれは時折り出くわす最高な湯温と外気のバランス状態だと感じた。
子供達はまずは持参したドラえもんの漫画本を読んで寛ぐというので父一人でゆっくりと風呂を堪能させてもらった。漫画本、ありがとう。
少し早いが17時から部屋で夕食。ちゃぶ台一杯にお皿が並ぶ。トマトと胡瓜の浅漬け、豚の味噌焼き、唐揚げ、山芋、風呂吹き大根、卵スープなどなど。
山女の甘露煮が美味しかった。
民宿「すぎのこ」の夏のウリは夜の昆虫採集プランがついていること。もちろん、全く採れないこともあるらしいが、確率の高い場所に宿の人が案内してくれる。これを目当てに宿泊する人も多いのではないだろうか。
本来ならばかなり山の上の方まで登って灯火採集でミヤマクワガタを取りに行く予定だったのだが、不幸なことに台風の影響で雨が降る確率が高いので、山には登らず河原の方に下ってカブトムシやノコギリクワガタを捕る計画に変更となった。
河原と言っても川は見えない林というか藪の中をひたすら歩いた。時に斜面に足をとられたり、倒木のしたを四つん這いになってくぐったり、汗だくだく。昨晩に急いで虫取り網を買いに走った努力が報われた。
大きな湾曲した顎をもつ立派なノコギリクワガタのオスを1匹、少し若い細身の顎のノコギリクワガタを1匹。そしてカブトムシのオスメス1匹づつにミヤマカミキリを1匹捕まえることができた。なかなかの収穫ではなかろうか。宿泊客が3組参加したのだが、他の参加者は宿の主人が見つけたものをもらっていたが私たちは自ら見つけて捕まえたものが全てだ。おかげで今のところ、子供達からの父の威厳は高止まりしている。
ノコギリクワガタを手にしたのはもう30年ぶりぐらいかもしれない。改めて見るとこの「水牛」と言われる顎の湾曲具合はかっこいい。赤味を帯びているのもノコギリクワガタならでは。
こちらも別種ではなく同種のノコギリクワガタ。幼虫の発育次第で顎の発達度合いの異なる成体になる。大人になってから顎が成長したりはしない。この個体は育った環境が低栄養だったのか、温度環境が厳しかったのか。
そして大食漢のカブトムシ。頭角がYの字のわれらがヤマトカブト。角は小さめ個体。それとメスも一緒に捕まえることができた。
ついでに捕獲されたミヤマカミキリ。
他にノコギリクワガタのメスを2匹捕まえたのだが、メスは逃がしてあげた方がいいかもな、と宿の方がいうので逃がした。後になって、むしろメスを持ち帰って産卵繁殖させたいと思ったが時遅し。
そう思っていたら朝食の後に宿のご主人がミヤマクワガタのメスを2匹プレゼントしてくださった。交尾済みなのでうまく飼育すると産卵させられるという。
思えば宿の人は後ろを振り返ることもなく山道をズンズンと進んでいき、あそこにノコギリクワガタがいる、こちらにはカブトムシがいるとお客さんに指し示し、帰りも早足で登っていく。悠長に客の話に付き合っていると長引いてしまうし、所要1時間ほどで成果を上げて宿に戻ることを効率的に遂行しているように思えた。おそらく朝食の準備やらいろいろやることはあるが、この昆虫採集が重要な営業集客ツールになっていることも理解してらっしゃるのだろう。ううむ、プロだなあなどと思っていた。
結論として子供達をは大喜びだった。また10回ここに泊まりにきて昆虫採集もしたいとのこと。食事もお風呂も気に入ったとのこと。
夜通し狭い虫籠の中でカブトムシが暴れていて困った。羽音がうるさいので派手な喧嘩をしていないか気になって確認すると、角の小さいオスのカブトムシがメスに必死にのっかろうとしており、メスは逃れようと逃げ回っているようだった。諦めずに愛を訴え続けているというよりは婦女暴行にしか思えなかったので違う虫篭に強制隔離させていただいた。
ホームセンターで大きな飼育ケースとマット、蟲ゼリーを買わなければいけない。蚕を8匹繭まで育て上げて先月に送り出したばかりなのに、また飼育の世話が必要な生き物が7匹も増えてしまった。