灯火採集でこの手で捕まえる機会には恵まれなかったが、交尾済みのメスのミヤマクワガタを2匹頂いた。深い山に住むというので深山鍬形(ミヤマクワガタ)と呼ばれる。深い山とはどういうことかというと標高が高く寒冷な地に生息しているということ。
ミヤマクワガタの飼育温度
飼育 20℃前後。上限26℃。
産卵 18〜21℃。上限25℃。
幼虫飼育 16〜20℃
湿度50度以上。60〜80が望ましい。
参考までにノコギリクワガタの飼育適温は25〜28℃。こちらは涼しい部屋での常温管理で十分。
なんと常に26℃を超えるようだと衰弱死するそうだ。クールビズのオフィスにおけるクーラー推奨温度28℃ですでに超過。東京23区内で26℃以下を常に維持しないといけないというのは実はかなり難易度が高いことに気づいた。26℃は正直、体調を崩すくらいに冷房が効いた状態だしその環境を夏の間中続けるとなると冷房代も恐ろしい。
こうなると旅行中に死なさずに、かつエアコンをつけっぱなしにすることも避けるならば小型冷温庫を買うしかない。ネットで探すと温度調整できるものは1万円以上する。交尾済みのミヤマクワガタのメス2匹を持ち帰りながら金を惜しんで死なすなんてことが子供への教育上、許されるのか。なんてこった。迂闊に難易度の高いものに手を出してしまったらしい。
300円の縦長のプラ容器にクワガタ用の朽木を粉砕して発酵させたマットと水に3時間浸して1晩陰干しした朽木を2本埋めた。それを冷温庫に収めると丁度良くはまってくれた。子供がちょくちょく開けるのでそれで通気も図れる。
外気温32℃、庫内温度23℃。普段、見ることができなくなってしまったが夜行性な彼らはどうせ昼間は殆ど地中に隠れてしまうことも知った。私が子供のころはさほどマットも敷かず、地中に隠れられないような状態だったので1か月程度で死なせてしまっていたように思う。
飼育土
木を粉末状に粉砕されたもので幼虫の餌にもなる。発酵の度合いや樹種でクワガタ用やカブトムシ用など種類がある。
産卵に使ったものを最後半年まで使う。発酵マットや菌糸マットは半年以降、徐々に混ぜていく。
水を加えて団子状になるぐらいしめらせてから飼育ケースに突き詰めながら入れていく。
ミヤマクワガタの場合最初から栄養価が高すぎるマットだとうまく育たないそうだ。ここもノコギリクワガタの飼育方法と異なる。
産卵環境
カブトムシはマットの中に産卵し、幼虫はマットを食べて育つ。それに対してクワガタムシは朽木が必要となる。朽木を水につけてから日陰干しし、表皮を剥いでからマットの中に設置してあげると、朽木に産卵して孵化した幼虫は朽木を食べて育つ。
ミヤマクワガタは単なる朽木ではなく腐った朽木でないといけないと書かれたサイトもあったがそんなものはないので通常の朽木を使ってみる。
産卵までたどり着いたならばくぬぎマットを突き詰め、菌糸と混ぜたビンで飼育してみたい。菌糸ビンそのままでは栄養価が高すぎてミヤマクワガタは上手く育たないとのこと。
https://stag.tsukiyono.co.jp/products/detail/66
そして最後に夢のある話。ミヤマクワガタは75mmを超える個体は1万円以上で売れるらしい。さらに78mmを超えると20万円以上の値がつくらしい。
取り敢えずミヤマクワガタ型の陶蟲夏草鉢も作ろうか。