下諏訪に泊まるならここ一択のマスヤゲストハウス

全てがお手本となるようなゲストハウス。民泊するならこんな感じにしたいというのが詰まっている。

古い木造物件が素晴らしい。これに尽きる。

客室からしか行けない吹き抜けに面した内広縁のような空間にある二人がけのローテーブルセットが素敵。

寝具が茶色で柄が煩くなく、汚れも目立たない。

あちこちの広縁で寛ぐ人多数。

円窓のフォトジェニックな空間。

食事を一切提供しないのも有りか。利幅の高いアルコールと乾き物だけ提供。

バーで宿のスタッフが客の話し相手をしてくれている。誰かと繋がりたい人が来るところだから。

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下諏訪駅から10分足らずでさほど迷うことなく辿り着けた。

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なかなか好みな古民家の風情。実は古民家ではなく廃業したこじんまりとした旅館をゲストハウスとして再利用、再開業したのだそうだ。そのおかげで元々の作りが独立した部屋数が多い。

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元からあったのか、後から造作したのか。廊下に面した大きな円窓。冬には建具を入れられて仕切れるらしい。

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緑青のようなムラだらけの緑がとても好みだ。我が家のトイレの壁をこんな感じで真似て塗ってみようか。

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霞んだ村のある緑。

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廊下を挟んで中庭の石灯籠を眺めることができる。我が家に足りないのはこんなローチェア、ローテーブルのセットのように思う。

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広々とした炊事場。朝食も夕食も出さない完全セルフなのでこんなに広々としたスペースが必要かは疑問。大きな木のテーブルを置いて、好き好きに卓を囲んで朝食を取れる形式でも良いかもしれない。

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ゲストハウスなのでメインとも言える2段ベッドが詰め込まれた8人ドミトリー。押し入れをベッドにしているようだ。ドラえもん形式。鍵は全く掛けられない自由な開放空間。

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このような小上がりの座卓もある。この陰影と一輪挿しの美意識が流石。

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ダブルベッドルームもある。理想的には6畳欲しいところだけれども、寝るだけならば十分なのかもしれない。いや、大きな荷物を置くスペースは欲しいところ。

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しかしダブルベッドルームには室内からしか行けない吹き抜けに面した廊下ほどの幅の空間がある。

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反対側から見たところ。この空間がなんとも好みだ。吹き抜けに沿って多肉植物を並べ植えられた吹き抜けを覗けるスペースがあったら夢のようだ。吹き抜けの天井は天窓で遮光したり陽射しを入れたり。

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一時期デザイン系の雑誌でよく見かけた異なる大きさの窓を組み合わせた窓壁。

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元々が旅館だったこともあり、建具や装飾に艶がある。

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正門から中庭を挟んで眺める。蔵も整備したら離れの個室になりそう。

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雰囲気抜群。いいな、こんな家で余生を過ごしたい。

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私が予約したのはアララギの間。2〜3人で泊まることを想定した部屋だろうが一人で貸し切った。それでも6500円。ゲストハウスで個室を独りで貸し切るなんて学生時代に比べると贅沢になったものだ。

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ごくごくシンプル。テレビもないが、コンセントは十分にあるし無料WiFiもある。室内は飲食不可ということで冷蔵庫もなし。

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押し入れの引き戸をとっぱらい、寝具が積んである。シーツを敷いてセルフで布団を準備する。寝具は汚れの目立たない、柄模様のない茶色一色。それで良いし、それが良い。一番安上がりだし見た目にも存在感がなくて良い。朝、シーツは剥がして洗面所に持っていくシステム。

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個室を独占して清潔なシーツの中で迎えた静かでひんやりとした朝。そして目覚めには徒歩数分の銭湯温泉の熱々の湯。これが格別だった。

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マスヤ旅館の名前が残るかつての浴室。今は物置になっている。浴槽は持たずに簡易なシャワールームだけだが基本的には銭湯に行くから問題ないのだろう。公衆浴場に抵抗のある外国人客用という感じ。

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こういうものはわざわざ調達するには高すぎるありがたい遺産だろう。

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広縁に座りながら鉢植えの世話をしたり団子を摘んだり茶を啜ったり。そういう静かで長閑な日が恋しい。

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花瓶を置くだけで写真映えのする建物。


貯金を減らさずに年金と宿運営で収支を合わせて老後を暮らせていけたらいいだろうなあ。