こちらが諏訪大社下社秋宮。出雲大社のそれとは逆方向に捻られた巨大注連縄が見所。
出雲大社とは異なり賽銭を挿したりはしない様子。梶の葉紋も上社は根が4本、こちら下社は根が5本。果たして上社下社が武力衝突していた頃も紋は梶の葉だったのか。
端正。ひたすら端正。
上下階に下がる御簾の景観は好み。
諏訪大社の祭神である建御名方神(タケミナカタノカミ)は建御雷神(タケミカヅチ)に国譲りを迫られた際に力比べを申し出た。これに対しタケミカヅチの手は氷や剣に変化させ、タケミナカタの手を握りつぶして放り投げてしまう。そしてタケミナカタノカミはすわのうみまで逃走するも追いつかれ、その地から出ないこと、大国主神・事代主神に背かないことなどを約束して和睦するといったような旨の神話があるらしい。これは巨木信仰を象徴するタケミナカタノカミが新しい中央集権的体制を象徴するタケミカヅチにとって代わられたことを示しているらしい。
旧体制の信仰がこうして神話の時代から根絶されることなく続いてきたというのも面白い。しかも軍神、農耕神、風の神など新たな性格を纏って。
高天とダイヤ菊をまだ飲んでない。
諏訪大社下社春宮には秋宮よりも小振りの注連縄がかかる。
三方のガラス戸が素敵。
根が一つ、上部が二股に分かれた杉の巨木。
そして御柱。御柱は明治以降は樅の木に限られているのだそうだ。
しかしそれよりも私の目を奪ったのは欅の古木。幹周囲5m前後、樹高30mとのこと。諏訪大社上社の大欅は樹齢1000年、樹高35mと大きく記述も多いが樹勢が無い。こちらの欅はまだ生命力が漲っており迫力がある。しかし注連縄も巻かれず扱いが軽い。
根本のウロ。
地面から吸い上げるフォルム。
枝の瘤化の豪壮なこと。この部位だけで数トンはありそう。
巨木は枯れかけたようなのが多いがここの欅はこの巨幹でありながら瑞々しい葉を広げる。
この欅の樹肌の縄文模様のような蠢きが好き。