揚羽蝶の蛹の保護

喜びは不安とセットなのではないかと思う。不安のないところから生じる喜びは弱い。どうなるか不確実で手を尽くした上でも結果がわからないことにこそ強い喜びは生まれる。たぶん。

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2週間前に保護したナミアゲハの幼虫は無事に蛹になった。

葉の上で動かなくなった個体は落下して緑に、プラケースの蓋の裏で動かなくなったものは茶色の蛹になった。てっきり死んだものかと思っていた。初めてのことだったので何か落ち度があったのではないかと暗い気持ちになっていた。しかし外に放置していたら鳥に食べられていたかもしれないし、もし死んでしまっているなら鳥の餌として食べてもらえば良いと強がっていた。

それでも殺してしまったか、と傷心しながらも一縷の望みとともに様子を見ていたらいつのまに蛹に変態してくれた。

プラスチックが悪かったのか、2匹ともうまく糸で自身を吊れずに逆さまに落下しかけたり、落下したりしていたので飼育ケースを掃除するがてら、羽化しやすい環境に整えることにした。

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蛹ポケットをつけてそこに蛹をはめてやり、羽化する際に羽を伸ばす止まり木を設置。蛹は完全に活動停止しているのかと思いきや、摘み上げると茶色の蛹は尻をプリプリと動かして反応した。緑の蛹は動かない。心なしか緑の蛹のほうが硬いような気がする。


春に無事に羽化してくれますように。一旦、蛹の中でドロドロに液状になって再構築されるそうな。神秘。直線上にない断絶的な変化ってやつだ。