岡本太郎記念館

おそらく、最も敬愛し尊敬している芸術家の1人が岡本太郎。その記念館に今まで足が向かわなかったが、ふと行く気になった。岡本太郎が幼少期から過ごした旧家跡地であり、戦災で消失後は40年以上住むことになったアトリエを建てた地。

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岡本太郎は小柄な人であったらしい。
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アトリエからは、ここで作品の数々が産まれた納得の空気感が感じられる。f:id:mangokyoto:20220110190116j:image

思念の残ってそうな道具の数々。
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未だ売られていない岡本太郎作品の膨大なストック。一財産ですな。この作品が展示品として飾られたり戻されたりしているのだろうか。
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リビングだったと思われる部屋にはオブジェが並ぶ。アトリエ兼住居だったのでそんなに広い美術館ではない。それでも濃密な空間。
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家としても素晴らしい、間取り、採光、庭の眺め。
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岡本太郎はその絵画作品以上に心に刺さる言葉を多く残している。私は実は造形作品、絵画作品よりも彼の言葉に最も刺激を受けている。
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「財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。過去の蓄積にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる。


捨てれば捨てるほど、いのちは分厚く、純粋に膨らんでくる。」

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眼の前の瞬間、瞬間だけを感性で受け止めよ。禅的でもあり、流行りのマインドフルネスにも通じることなのかもしれない。
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「たとえ、結果が思うようにいかなくたっていい。結果が悪くても、自分は筋を貫いたんだと思えば、これほど爽やかなことはない。」f:id:mangokyoto:20220110190040j:image

猛烈シロウト上等。「誤解される人間の姿は美しい。」誤解もされないようなありきたりの想像の範疇に収まる人間というのはなんともつまらないのかもしれない。
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「自分はどのくらいの能力があり、どのくらいのことをすべき器であるかということを見極めようとしないで、つまり、自分のことが自分でわからないのに、勝手に自分はダメだと見切り、安全な道をとってしまう。」

岡本太郎の言葉は厳しい。多分、私を見たらつまらぬ人間、戦っていない人間だと一笑にふされてしまうと思う。
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「オレは食うためにこんなことをしているが、ほんとうはもっと別の生き方があったはずだ、と悔いている。いつまでもそういう迷いを心の底に圧し殺してる人がほとんどだ。」

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「好奇心というのは、そのような生命を賭けて挑む行動に裏打ちされなければ、生きる感動としてひらかないのではないか。全生命、全存在を賭けて、真剣に、猛烈に遊ぶのでなければ、生命は燃えあがらない。」

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可愛らしいアイコンのようでいて、眉間には皺が入り下唇は上に突き出し、表情は険しくもある。眺めていると怖さも感じる。私は岡本太郎の造形作品の中でこの作品が一番好きだ。
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「血を流しながらにこり笑おう」比喩的な意味であれ血を流すほどの覚悟で物事に挑めているか。

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庭にも太郎作品が犇く。
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猛獣らしい。岡本太郎による、表面的には可愛いらしい、よく見ると虚無的で恐ろしい表情のナニカ。岡本太郎による植木鉢作品で作陶する人は多くが自分でも作りたくなる一品。
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村上隆といい、現代美術の巨匠は一見可愛らしい意匠を作り上げる。これは岡本太郎が自らをモデルにしていて、頬杖をついてるとも仮面を被っているとも見えるそうな。
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眼の中に芭蕉の葉が入り込んでいて不思議な雰囲気を醸し出していた。
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カフェが併設されていて、売店で買った本を読む。

 

岡本太郎には常に凹まされ、自信喪失させられ、自分のダメさ加減を思い知らされ、勇気と活力をもらう。