哲学しながら梅を愛でられる「哲学堂」

今朝も元気にジョギングして3kmほど先の中野の哲学堂へ。

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哲学堂の創設者、井上円了は日本の仏教哲学者であり東京大学哲学科に学び、のちに東洋大学となる哲学館を創設し、さらには大学から離れてからはここ中野の地にソクラテス、カント、孔子、釈迦を祀る四聖堂を建設して哲学堂をその後の生涯の活動拠点とした。ちなみに第一次世界大戦前の昔から日本で生涯学習を提唱したのも井上円了だという。

一部に梅林があるが広い公園はどちらかというと桜で有名。しかし丘を登った上には風情ある哲学堂の建物群と梅が楽しめた。
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哲理門、三学亭、六賢台などと名前のつけられた木造建築が散在する。桜や花は寺社仏閣の暗い色を背景にするのが映える。
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竹格子柵と木漏れ日。
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寺社仏閣のような背景だと花の魅力が2割増し。たぶん。
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ちとiPhone13のポートレートモードは背景のボカシが嘘くさい。
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風に揺れる枝垂梅に杉板張。
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かつて「幽霊梅」が生えていた場所に咲く梅にも何がしか宿るだろうか。
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哲学堂には世界中の歴史的哲学者の像も置かれ、思索に耽るのに適した空間となっている。こちらは有名な法典をまとめさせたバビロン王、ハムラビ。
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ハムラビ法典といえば大勢が思い出すのは「目には目を、歯には歯を」という同害報復。

「同害報復は古代における粗野で野蛮な刑罰とされてきたが、「倍返しのような過剰な報復を禁じ、同等の懲罰にとどめて報復合戦の拡大を防ぐ」すなわち、予め犯罪に対応する刑罰の限界を定めることがこの条文の本来の趣旨であり、刑法学においても近代刑法への歴史的に重要な規定とされている。」

今、必死に日本も含めた欧米諸国連合がロシアのウクライナ侵攻に制裁を釣り合わせようとしているがその天秤は誰が判断できるのやら。
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こちらはローマの賢人皇ユスティニアヌス。今に至る大陸法の源流を整備されたのだとか。
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ムハンマドの像を作ってしまうのはイスラーム的には許容されていないはず。額を地面につけた祈る格好で顔などは見えないように配慮されているので大目に見て欲しい。
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後ろ姿だけでガンディーさんだとわかってしまうアイコニックさもなかなか。

 

国連憲章国際法も上手く機能していないようで、なかなか理想的な法理というものはないか、広まらないか、従わせることができないものらしい。ウクライナなどうなってしまうのだろうか。
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哲学堂公園公園敷地内の中野大通り付近には梅林もあって樹齢が古く丁寧に剪定された梅が並ぶ。
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名札がついていたり、ついていなかったりなのだが「八重寒紅」は梅里公園で見かけなかった品種。
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冬至」に咲くから極早咲きなのか。こちらも一重で好みな品種。幹の太さに古色を感じられるのが哲学堂の梅の特徴。
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梅林はさほど広くもなく、特に目を惹く品種があるわけでもなく。

 

やはり哲学堂の魅力は丘の上の様々な風情ある木造建築に寄り添う梅花を楽しめる点だと思う。
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そして哲学堂といえば見過ごせないのが近くにある銭湯「栄湯」。カントの湯、ソクラテスの湯、孔子の湯などがあり極めつけは釈迦サウナ。サイケデリックな釈迦の視線を感じながら「ととのう」らしい。

銭湯で哲学しちゃう? 昨年末、リニューアルオープンした哲学堂公園近くの『栄湯』【新宿区 / 落合南長崎駅】 - 東京銭湯 - TOKYO SENTO -

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