来店するたびにときめく高円寺「むし社」

夏に向けてカブトムシマットを交換しなければならない。9月に入れたきりのカブトムシマットは流石に食べては糞をする毎日を過ごしていたので飼育箱の中の飼育マットは2〜3割が糞に置換されてしまっているのではないか。

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カブトムシやクワガタ飼育に必要なものが全て揃う高円寺「むし社」では生き物大図鑑シリーズの虫のガチャポンも数種類売られている。余計なものを買わないようにしているが、いつもこれは必要なものだと認識が歪んで何か買ってしまう。そうして買って引き当てたのがこの「コーカサスオオカブト」の玩具。相変わらず素晴らしい造詣、稼働部の多さ、学術的正確さ。
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この個体もここ「むし社」が提供した個体の3Dスキャンによるものだろうか。店員さんに聞けばよかった。ここの店員さんはいつだって虫の話ならば喜んで雑談に応じてくれる。
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ローゼンベルグオウゴンオニクワガタの黄金ではなく黒色個体。黄金鍬形なのに黒色なんだぜ、という愛好家心をくすぐるひねくれ方。本音としてはクワガタはミヤマクワガタが欲しいのだよな。
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飛ぶ。
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クワガタやカブトムシはほぼ垂直に身体を起こした状態で飛ぶので飛翔姿は不恰好だ。空気抵抗への配慮などあったものではないので、当然飛翔距離も長くはないし飛ぶ速度も遅い。そんなところまで忠実に再現している。
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生体のヘラクレス・ヘラクレスはなんと50,600円。私の好みはどちらかというとヘラクレス・リッキーだがこちらも3万円超え。いつかこんな外国産カブトムシも繁殖させてみたい。

22〜25℃の温度管理さえすればさほど難しくはないらしいが2年かかる。うまく産卵させられれば20〜30匹ほど産まれるらしい。手を出してしまいそうになるが、通年で22℃以上で管理し、1頭づつそれなりの大きさの容器で飼わないといけないならば素人が迂闊に手を出してはいけないものだとわかる。保温庫、光熱費、容器代、マット交換費用、そして何よりかなりの容積を占有するであろう目に見えない賃料コスト。

メスが多く産まれたら「またメスかよ、オスがよかったのに」などという前時代的なセクハラモラハラの塊の家長のようなセリフが自然と口から出てしまう気がする。コントロールできない事象に過大な期待をかけると心は歪む、そういうことだろう。
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ギラファノコギリクワガタは14500円の個体も売られていた。クワガタも同様に温度管理が必要だが1年で成体になる。占有体積や飼育費は変わらないので飼育期間がヘラクレスの半分だとしても単価はヘラクレスの1/3〜1/4なので採算性はむしろ悪い。ヘラクレスは大きさを超えて別格プレミアムのついた品種だと改めて思う。

 

振り返ってみると採算性を問うならば飼育に3年かかるミヤマクワガタが圧倒的に手間がかかる上に標準サイズの成体は高く売れるわけでもない。最も採算性の低い類のクワガタを私は飼育していることになる。趣味と合理性は相性が悪い。手間の多さが愛着に繋がったりもするミヤマ。やはり次はミヤマの陶蟲夏草鉢を作ろう。

 

そんなわけでカブトムシマットにヒラタケ廃菌床を混ぜ込んだものを飼育プラケースに入れ替えてあげた。

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合計で7匹。少ない気もするけれどもこれ以上多くても困るので良しとする。
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オスメス見分け方を知らないままマット交換してしまった。羽化した際のお楽しみということにしておこう。
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中型プラケースと比較してもなかなか立派に育ってくれている。クワガタと違って複数頭飼育でも互いに傷つけ合わないので助かる。ヤマトカブトムシでこのサイズだと、コーカサスヘラクレスの幼虫はかなりの迫力なのだろう。