- 技術進化で解凍したら透明に戻る高鮮度「活造りイカ」を呼子から取り寄せられる。「かま笑」
- その場で焼いてくれるゲソ焼きは最高
- 呼子朝市ではノドグロ、マグロ、海鼠、イカなどが買える。目が生きている新鮮さ。
- 瀬戸大橋が竣工するまで日本一だった吊橋からの眺めが良い。歩道を歩ける。
- 唐津神社の御朱印帳は必買。
- 唐津城は展示が充実して見どころあり。
- 旧唐津銀行をはじめ建築散歩が楽しい。辰野金吾建築繋がりで武雄の門を見に行くのが楽しみになる。
- 唐津は深夜まで営業している飲食店が多くて梯子して楽しめる。常連同士の関係が密。
- 唐津焼の若手作家の工房を訪ねたり作品を求めるならばCaffe Lunaの女主人が水先案内人。いろんな人と情報が集まる。
6時起床で宿を出て歩き始める。
通りがかった民家で市場から買ったばかりのマグロを披露していただく。小さなマグロを丸々食べるなんて贅沢なやっちゃ。
瀬戸大橋が竣工するまで、たった1ヶ月の間だけ日本一長い吊橋だったそうな。位置付けは農道で人口のほとんどない加部島とを繋ぐ。
殆ど車の往来がないものだから道の真ん中に出て写真を撮っても危険がない。現在の呼子の寂れ具合を目の当たりにすると公共設備への投資判断としてバランスに欠くように思う。
この橋を目当てにわざわざ呼子には来ないだろうから。メンテナンス費用もバカにならなさそうだ。良い眺めだけれども、さ。
朝市に戻る。
昨晩、「百と十」でビールを飲んだ際にマスターに教えてもらい、木屋にギョロッケを買いに行く。
トースターで温め直してくれたギョロッケがあっさりとして美味しい。言うならばフィレオフィッシュだ。
コウイカ。地元の人曰く、刺身の美味しさとしてはケンサキイカ→ヤリイカ→コウイカの序列であるらしい。ケンサキイカは5月以降だそうで、この時期に食べられる一番美味しいイカはヤリイカだそうだ。
立派な海鼠は切ればこのまま食べられるそうな。
のどぐろだろうか。
素人にも判るぐらいに鮮度が良い。
最終日なら買って帰れるのだが
ニシガイとヤリイカを焼いてもらった。1串500円と安くはないがその価値のある美味しさだったので満足。
少し甘いタレが塗られていて美味い。子供たちに食べさせたい味。興奮して喜ぶ姿が目に浮かぶ。
技術進歩によって瞬間冷凍されており、流水で解凍すると透明なイカの刺身を食べられるのだそうだ。いか活造りで3,300円。あの呼子で食べた感動を東京で再現できるなら高くはないのかもしれない。
表彰されるほどの革新的な特産品となっているそうだ。
そのままの足で唐津神社に参拝した。雨がひどくなってきていたので気付いたら写真をほぼ撮っていない。
今年の巨大絵馬は武田信玄の兜。
赤獅子、緑獅子
鯛、鳳凰など計14の町に曳山がある。
御朱印を頂く。達筆かな。
欲しかったのはこの「唐津くんち」の織られた御朱印帳。五番魚町の鯛の曳山がやはり一番人気らしいが、他にも2種類の曳山の御朱印帳が売られていた。
街歩き。電気屋も渋い。
スナック街にある眼鏡橋。
元酒屋のようだ。杉玉を覆う小屋根が良い。
鰻屋は木造三階建ての風格。長く残してほしい店だ。佐賀に来る前に鰻は食べてしまったばかりなので今回はパス。
そして唐津の名所の一つ、旧唐津銀行。東京駅舎を設計した辰野金吾監修とあって彼らしい雰囲気を纏う。辰野金吾は東京駅プロジェクト真っ最中だったので弟子の田中実に任せたそうだが同時並行的に進められたので「辰野式」の類似性が高い。
武雄温泉の楼門も辰野金吾建築だそうだ。守備範囲が広い。
近代建築らしさを感じない伝統的な見た目に見えるのだが、辰野様式を取り入れた新規性はあるのだろうか。
風格ある見事な階段、新調されて鮮やかな絨毯。
第二予備室にある螺旋階段。鉄製の曲線と直線が背骨のようで好み。
銀行の受付部分。東京丸の内の旧銀行カフェのようにカフェにしてしまっても良いのでは。
吹き抜けになっているので天井が高く解放感がある。
唐津焼きで造られた辰野金吾氏像だそうだ。顔は光沢が出ないように焼締で作られており精巧。
どうみても村上隆さんだよね。本人に贈ってもすんなり受け入れてもらえそうな。
外にある銅像は少し雰囲気が違う。どうやらハゲで立派な口髭を蓄えていたのが共通する辰野金吾像らしい。
ベタに唐津城にも登ってみた。内部は資料館となっているのだがかなり充実していて楽しめた。
藩の財政が傾いているのを検知して重税を課したことが天草の乱に繋がったと知る。唐津藩は何度か財政立て直しを試みるのだが、課税額を上げる施策ばかり繰り返していたようだ。それでは失敗するよね。藩民の富力が増さないまま課税額を上げたら不満が燻るだけ。会計学や投資効率的概念の殆どが欧米由来であるように、中世日本ではそのような学問や実務体系が藩の財政運営に欠けていたのではないか。
水野忠邦は唐津藩三代藩主の子として生まれ四代目藩主を継ぐが財政立て直しに失敗し、唐津藩では財政改革の成功も見込めずこれ以上の出世は望めないと悟るや賄賂を駆使して浜松藩に転封し、そこから出世街道に乗ったそうだ。徳川家斉の元で頭角を表し徳川家慶の元で老中首座にまで成り上がるが天保の改革は失敗に終わるなどギラギラとした野心家でありながら結果は出していない様子。現代の大企業にもいそうな人だ。
県の天然記念物の藤の古木が広大な藤棚に枝を広げている。開花には1週間早いようだ。残念。
宿にはとても小さなシャワーしかないので唐津で唯一というだけでなく佐賀県で唯一となってしまった銭湯で汗を流した。温泉の多い土地柄とあって銭湯が普及していないのだそうだ。公共温泉浴場は銭湯としては数えられていないということか。
夜は「一天張」という料理屋で海鮮を楽しみ、さらにデザートと珈琲を目当てに昼にも食べたCaffe Lunaに再訪した。
このCaffe Lunaが陶芸好き素人にはルイーダの酒場のような情報ハブで唐津や伊万里などの若手作陶家と多く繋がってらっしゃる。
カフェにも関わらず日本酒や肴も出していてカウンターの上にはいろんな作家の盃が並んでいる。
私の好みや作風を知った上で中里隆さん、中里健太さん、三藤るい、吉永サダムさんなどお薦めの作家さんを教えてくれ、さらにはおもむろに電話をかけて翌日の工房訪問の約束まで取り付けて下さった。
大川内山にある30もある窯のうち訪れるべきおすすめの窯のリスト、オススメの食事処など沢山の情報を頂いた。
かつて杉並区野方に住み北島事務所に所属していた歌手の方や、「もののけ姫」の解釈劇を英語で翻訳配信しようとされているアメリカ人の方など面白い人たちが集まっていて話を聞けた。唐津は人の繋がりも面白そうだ。