だいぶクラッスラ「玉稚児」が育ってきた。
団子虫らしい黒い甲殻の陶蟲夏草鉢で気に入っている。
実はこの陶鉢は西国三十三カ寺巡礼のひとつ六波羅密寺にある空也上人像に触発されて作っている。
全く似ていないけれども、団子虫を苗床に何本も枝分かれして天に向かって生える多肉植物の姿が空也上人の内側から口に出た阿弥陀仏のように育ってくれないかと思っていた。残念ながら玉稚児は自重で垂れ下がってしまって空也上人の念仏のように水平には伸びてくれなかった。それでも団子虫が腑を苗床に絞り出すように多肉植物を育んでいるようで気に入っている。
実物の団子虫に寄せた黒メタリックな陶肌。直射日光を浴びると少し金色が差す。
これはこれで有りだと思っている。
玉稚児が触手のように動き、花を咲かせ、枯れる。
寺社仏閣を訪ねることが多かった5月。陶蟲夏草で立体曼荼羅を作ってみようかと壮大な構想を描いてみたり、まずは福禄龍神木を仏に見立てた植木鉢を試作してみようと思ったり。