鷺ノ宮神社の向かいにカフェがあるのを思い出して仕事の資料を持ち込んでお邪魔した。カフェ巡りはしたいのだけど状況が許さず。ならば気分を変えて資料を読み込むためにカフェに行くという自己正当化をしてみた。
この独特な定規を使って書いたようなフォントがじわじわとくる。この写真は退店後に撮ったのだが私が滞在中にもケーキはどんどんと売れて品切れていった。
赤い椅子が印象的なこざっぱりとした店内。
ショーケースに並ぶケーキはどれも美味しそうだった。ミルフィーユにダークチェリーとクリームが乗っていたり一捻りある。甘夏のタルトがどうやら人気なようであっという間に品切れた。お客さんは常連と思われる人が多く、テイクアウトで買って帰る。
たっぷりの珈琲にダークチェリーミルフィーユ。セットで1100円ぐらいだったか。けして安いとは言えないのだろうけれども割高感は感じなかった。たかがダークチェリーとクリームだがそれがあるだけでミルフィーユの魅力が一気に増している気がする。付加価値付与貢献度としては利益質が高いのではないかと勝手に思ってみたり。
美味しかった。上等で高級なパティシエのケーキではなく昔ながらの喫茶店の美味しいケーキ。そんな親しみやすいヤツだった。
3年前に開店したと言っていたっけ。高齢のご婦人とその娘さんと思われる方が改装した自宅の一画を使って営んでいる雰囲気だった。
賃料はかからなさそうだ。厨房や客席の内装費の償却がどれだけ残ってるか次第か。
なんとなく控えめで話しかけやすい雰囲気をお持ち。接客が得意ではなさそうで口下手そうな真面目で純朴そうな雰囲気がむしろ好感が持てる。
ケーキ作りが得意で生き甲斐だからやってますという雰囲気。実際にケーキは美味しい。星付きレストランでパティシエ修行した300円さらに高いケーキではなく、この町のケーキ屋の中では上等な位置付けが丁度良い。
趣味が高じた生き甲斐でやってる店だから安く出してます、ではなく値段にもケーキの質への自負が感じられる。
過剰に在庫を作るわけでもなく、早く行かないと人気のケーキは売り切れてしまうけれども、まだ在庫のあるケーキが酷く見劣りするわけでもない。近所の人に早く行かないとすぐ売りきれてしまうケーキ屋という印象が残ることは大きいのではないか。
こんな、人も雇わず身の丈に合った小商いと生き甲斐に嵌ったような店が長く続くんだろうなと思った次第。
そう、あれこれがちょうど良いのだ。
鷺ノ宮神社は神主さんが気さくに話しかけてくれる気やすさ。境内には花が丁寧に手入れされ身を楽しませてくれる。近くまで来たなら立ち寄りたい神社だ。この「白妙」と相まって鷺ノ宮の私の中での穴場魅力感が高まっている。