銀座のオーストラリア風カフェMEToA cafe&kitchen


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オーストラリア風カフェ&キッチンMEToA という銀座の街角のカフェで夕食をとった。カップルと女子客しかいないが勇気を出しておっさん1人。
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注文はQRコードを読み込んでスマホから注文する。ガラケーの客は銀座にはいないのだ。

小さなバーガー3つセットで1600円ほどというやつを注文した。それにビール。
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銀座の夜は着飾った若い女性が本当に多い。それとデートで何処かから銀座に遊びに来たと思われるカップル。仕事帰りの疲れ切ったワイシャツのサラリーマンは皆無で裸足にローファーを穿いて胸元を開けてこれから活動開始というオーラを出している若い男がカップル客で散見される。
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オーストラリアのビールVBを頼んだ。375ml程度で900円超。オーストラリアビールはフォスターズラガーやXXXXのイメージだ。何気にオーストラリアビールの殆どはキリンやアサヒビールなど日系資本傘下となっている。取り立てて個性的でも絶品でもないのだがオーストラリアビールを飲んでいるという気分だけの満足。私はベルギービールに多いエールが好きかな。
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大きく見えるように撮ったのだが、本当に一口サイズの上品なハンバーガーが3つ出てきた。2口で食べた。見た瞬間にこれでは足りないと追加注文したほどだ。前菜かと思うサイズ。

 

私が小学生の頃、オーストラリアに住んでいた。その当時で70を過ぎていた祖父が遊びに来てくれたことがあり、全く英語の喋れない祖父は平然とハンバーガー屋に一人で入店して、お望みのハンバーガーを買って出てきたのを思い出す。英語の喋れない日本人観光客は言葉が通じるか不安でハラハラするものだが、祖父は全く動じずにいてすごいと思った。向こうは売りたいのだしこちらは買いたいのだし何の不都合がある?と言いたげだった泰然とした態度を思い出した。ビルマ帰還兵の祖父だった。

 

これが銀座価格か、と暗い気持ちになったが食べてみると美味しい。ビーフ、チキンは絶品でかわりに白魚は生臭かった。白身魚が生臭くて美味しくないあたりも忠実にオーストラリア風を再現しているのか。よく食べた記憶のあるフィッシュアンドチップスはお腹が減っているから食べる料理だった。
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チキンレッグも注文。スパイシーかと思いきや甘ダレ。フィリピンでウケそうな味。

 

思えば私がオーストラリアに住んでいたのは80年代終わりでその頃の印象は物価は安く、自然や資源は素晴らしいが加工が垢抜けないというか、洗練されてない素朴な印象だった。学校の遠足はイギリスの囚人が開拓した埃っぽいアウトバックと呼ばれる荒野の街なんかに行くことが多かった。まだ白豪主義の残滓も残る時代。
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華僑が大量に移民し、地価は高騰し、難関大学の生徒は勤勉なアジア系ばかりになって反アジアの風潮も起きた。そんなニュースを日本から時折聞く遠くの国となった。自分の中には幼少期を4年過ごしたオーストラリア生活で形成されたものは多分にあると思う。しかし離れてから30年の間に訪ねたのは仕事の出張で1度だけだ。文化的に惹かれるものは少なかったのかもしれない。

 

スターバックスが総撤退するほど個性的な珈琲店が多く、地価も高騰して物価も日本より高い。私の中のオーストラリアは粗野で素朴なのが魅力的だった。勝手な期待の押し付けだが、高級で小洒落たオージー文化ってピンとこないのだよな。時代の移ろいに意識の変化が対応できない過去に浸る人間となってしまったか。
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大豆ベースのベジティラミスを注文した。これも900円近くしてえらく高いなと思ったが、これまで食べてきたソイティラミスでは一番美味しいと思った。
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私は対象客ではないカフェだな。銀座デートで立ち寄るカフェ、今を謳歌する若い女子が友達同士で雰囲気を楽しむ店。21時を過ぎても絶えず満席で席が空くのを待つカップルが絶えずいた人気店。

 

隠居したらかつて自分が過ごした国や地域を再訪して回ったりするのだろうか。埃っぽいアウトバックに行きたい。