陶蟲夏草鉢「鋸鍬形」が焼きあがった。
土台鉢は鉄分の多い赤2号土、蟲は黒泥土の使い分け。
垂れ下がった脚先や頭と大顎が落下することなく無事に焼きあがってくれるかは不安だったけれども乗り越えてくれた。
黒土の透け具合もちょうど良いのではないか。
土台の鉢にも均等に綺麗に施釉するかは好みが分かれるところ。蟲は光沢が出て、鉢は粉っぽい仕上がりは狙い通り。私はムラがある方が飽きないから良いと思うのだがどうだろうか。鉢の底に水平に亀裂が入ったのは完全な失敗だ。しかし植木鉢だと全く問題にならない。
死骸なものだから、欠損した脚が散らばっている。
ゼラニウムの花を差して一枚。頭が垂れ下がって鉢を包むような姿勢で朽ちた蟲。今回のバッチの中では一番のお気に入りかもしれない。
茎立ちした鉢ばかりになりそうなので、この「鋸鍬形」鉢にはサボテンを植えてみたい。
実生の「かぐや姫」というマミラリアの一種の幼苗を植えてみた。まだまだか弱そうな苗だが、この環境で育ってくれたら一体化した株に育ってくれるに違いない。
土台の釉薬がかかっていない景色が好み。年を重ねてこういうムラが魅力的だと思えてきた。
冬虫夏草のキノコっぽくて良いのではないか。
1年、3年、5年と気の長い付き合いをしていくお供に認定された。