箱根に行った際に台風に直撃されて雨天続きだったのでポーラ美術館に行ったことを書き留めておく。
ポーラは資生堂や花王鐘紡までの大手ではないけれども芯の通った技術開発をしている会社という印象で近年の日本初の医薬部外品認証を勝ち取ったシワ改善製品「リンクルショット」の成功はその証左。こんな立派な美術館をバスや自家用車でしか辿り着けないアクセスが良いとは言えない箱根の山奥に作り、かつ学生無料にするのは美に対する損益を超越した信念のような、理念のようなものがあるのだと思う。
美白。
ピカソの青の時代展が催されていた。昔は美術館は写真撮影が禁止なのが普通だったが最近はフラッシュを焚かなければ問題ないのもありがたい。気に入った作品を見かえしたくなる。
千変万化のピカソ
同じ画家とは思えない自分のスタイルを壊し続ける革新者
この作品がどのように描かれたのか変遷を映す動画が視聴覚コーナーで流されていた。繰り返し、繰り返し上書きされていく。途中段階の絵の方が好みだったりする。ピカソの頭の中は私にはわからないことがわかった。
行き過ぎ
常設作品にも見所は多い。日本人に絶大な人気を誇るルノワール。
私はこの額に釘付けだった。額がもう一つの見所と言えた。
今回の一番の出逢いは佐賀の画家、岡田三郎助の「あやめの衣」。いや、どう考えても主題はあやめの衣ではないでしょう。
どんな美をカンバスに留めたいのかが分かり易すぎて良い。ド直球。うなじ、良い。
戦前の美人画の名手だそうで佐賀県立美術館には岡田三郎助作品が沢山、収蔵されているらしい。佐賀旅行で立ち寄るべきだった。
そういえば都道府県魅力度ランキングで2022年に佐賀県は最下位となったらしい。それで注目を集めて佐賀に行く人が増えたら、なんだ、あれこれ魅力は尽きないし全然最下位なんかじゃないだろう。何もなさを期待したのにがっかり、なんてことになりやしないか。
ポーラ美術館が30億円で落札したゲルハルト・リヒターの抽象絵画。さっぱりわからん。私にはうなじぐらいわかりやすいものが良い。