熱海MOAの馬俑

巨大な羊頭鉢を造りたい。

 

26年ぶりに熱海のMOA美術館に来た。学生だった自分が今は亡き祖母の車椅子を押して歩いて回ったのを覚えている。前回、何をみたのかなんて全く覚えていないが改めて観ると素晴らしいものだらけ。

f:id:mangokyoto:20221015172414j:image

この完全な状態を保った中国の馬俑に魅せられた。まだタテガミには土が付いたままの状態が彩色を少しばかり霞ませていて魅力を増しているように思う。
f:id:mangokyoto:20221015172408j:image

気合を入れて臨んだらなんとなく似た作品は作れるのだろうか。焼き締めに化粧土で色を載せて。。
f:id:mangokyoto:20221015172430j:image

顔も美しい。巨大な羊頭、鹿頭の植木鉢を作りたい。


f:id:mangokyoto:20221015172436j:image

こちらの馬は頭が小さくデフォルメされているがこちらも素晴らしい。
f:id:mangokyoto:20221015172442j:image

蹄と関節の形状が勉強になる。
f:id:mangokyoto:20221015172433j:image

ここ長いこと作陶してない。ムラムラと造りたくなる。年末年始は工房に籠りたい。


f:id:mangokyoto:20221015172401j:image

美しい庭を散策。世界救世教という新興宗教の教祖だった岡田茂吉による私設美術館でもある。岡田茂吉自身が東京藝大の前身である東京美術大学に学び元から美への造詣が深かった。
f:id:mangokyoto:20221015172411j:image

実業家でもあり、事業を成功させるも関東大震災などで大きな痛手も負ったらしい。後年のMOA設立にあたって蒐集品の多くは信徒からの喜捨からなる教団の資金を元手としているのか。それとも岡田茂吉の事業からなる私財を元手としているのか。
f:id:mangokyoto:20221015172358j:image

贅沢な空間の使い方が素晴らしい。
f:id:mangokyoto:20221015172417j:image

銅鏡も緑青の湧き方が素晴らしかった。こんな発色で銅釉を掛けて焼きたいのだよね。
f:id:mangokyoto:20221015172420j:image

錫と白銅の神鏡。神話の時代の神獣や鳳凰モチーフの造形というのも好みだ。陶板を作ってみようか。
f:id:mangokyoto:20221015172354j:image
f:id:mangokyoto:20221015172405j:image

f:id:mangokyoto:20221016210720j:image

そうかそうか、野々村仁清の国宝の壺まであるのか。
f:id:mangokyoto:20221015172439j:image

秀吉の茶室の再現。
f:id:mangokyoto:20221015172427j:image
f:id:mangokyoto:20221015172424j:image

新興宗教の教祖の設立した美術館。ようわからん宗教と信徒のための神殿を作るよりも、散逸した美術品を収集し保管、展示してくれるほうがありがたい。

調べてみるとガンダーラ美術の収蔵品などが素晴らしい滋賀のMIHO美術館も世界救世教から分派した世界救世教秀明教会を前身とする神慈秀明会による私設美術館だとわかった。そちらの教祖も岡田茂吉だそうだ。美術品の多くはそもそも宗教や信仰を母胎とし、後世の宗教団体が宗教は異なれど収集して展示しているわけか。昨今問題になっている家庭を崩壊させるような過度の喜捨によるものでなければ非信徒としては美術文化財が楽しめる機会が増えて良い。