球根はいい。無責任に育てられ、失敗しない。栄養も与えずに勝手に育つ。失敗しても罪悪感を感じなさそう。
お、育っている。
その育てる喜びだけを享受できる。
家族よりも、犬よりも、会社の同僚よりも、泥鰌よりも、メダカよりも、ミヤマクワガタよりも、サボテンよりも多肉植物よりも私は球根のヒヤシンスの存在のことを軽んじているのかもしれない。球根も私を必要としていない。日照すら必要としない。腐らないようにせいぜい週に1回ほど水換えをするだけだ。
無責任でいられる対象だからこそ癒されるということもあるのではないか。
仕事や生活のあれこれが面倒に感じた時のヒヤシンス。