・細工の上等な欄間の背後に椿の紅や葉の緑を覗かせる
・広縁のある座敷を備えた日本家屋での長期滞在ワーケーション
徒歩数分の熱海梅園へ朝食の腹ごなし散歩へ。
こちらは献上梅だそうで今や上皇に退かれた平成天皇に毎年献上されている梅だそうだ。
「冬至梅」。八重が多く、私の好みの5花弁の梅は少ない。
週末のステージが演歌歌手というところに客層が窺い知れる。
松尾芭蕉の句。
清流に青々と茂るのは山葵だと思われる。
全体としては4分咲か。ちらほら梅らしい枝葉の咲きぶり満開の梅もある。枝を隠すように、枝の形状に沿って咲く梅は桜とは風情が大変異なる。香りも漂う。昔は花見といえば梅を指し、桜よりも梅が好まれたのは理解できる。紅白の濃淡のバリエーション、剪定して作り込める形、そして香り。どれも桜には無い要素だから梅よりも桜に人気が移ったのは時代の変化に伴う好みの変化なのだろう。
奥には韓国庭園なんてものもあり
夏にはとても涼しげな、冬には寒々しい建物が1つ。東屋のようなものだろうか。文机があり文芸家が詩歌に興じるような処だろうか。
韓国の庭園で水を張った池には定番らしい。方形の池は陰、円形の島は陽を表すのだそうだ。
梅よりも真紅な木瓜の花。濃紅が一輪だけ咲く様にドキりとする。
中山晋平記念館という入場無料の日本家屋があった。
中山晋平さんは大正から昭和にかけて活躍された大衆音楽の作曲家さんで「〇〇音頭」なんてやつをたくさん作られたらしい。1944年に戦局が悪化する中、中野から熱海に疎開転居されたとのこと。楽曲も中山晋平さんも存じ上げない。そういうものがさらに若い世代にはもっと増えていくのだろうな。
とても趣味の良い立派なご自宅に住まわれていたようで、そのまま熱海梅園に移築されている。移築する価値を感じるほどの普請だったのだ。
2階も広縁がぐるりと座敷を取り囲んでおり眺望もあってなんとも清々しく素晴らしい。
残りの人生で広縁の上等な日本家屋に住む数年があったら充実するのではないかと密かに思っている。今年の夏にでも地方からリモートワークができないものか。
階段箪笥をこのように埋め込んだようなものは初めて見た。階段箪笥は昇降できてこそだとやはり思う。
最上段には黒電話が鎮座している。そのように電話線が収まるように設計されていたのか。
欄間の透かし飾りの美しいこと。裏に椿の赤と緑が覗いて見えるようなのも素晴らしいのではないか。
熱海で有名な「金色夜叉」の一景がここにも。
広縁の幅が半間よりも広い。1mは超えていそうに見える。
自分の好みが詰まった自宅。先ほども書いたが座敷と広縁が好みな1週間ほど滞在できそうな日本家屋を探してみようか。
猿回しが来ていて年配のご婦人方に大人気で手を叩いて喜んでいた。ベタな笑いは安心できて良いよな。
猿以上に猿使いの女性の決めポーズが様になっていた。
汚水用なのにマンホールの蓋までなんとも綺麗。
漫然と歩きながら、自分の好みの何かを見つける散歩。