たまに行くinsect barの店主が渡米して221年に一度という十三年蝉、十七年蝉の同時大量発生を目撃して標本も採集してくれた。上が十七年蝉。
この人はカマキリの研究者でもあり、日本国内でハラビロカマキリの亜種を発見して新種登録したりなんかもしている。現在、国立科学博物館で開催中の「昆虫マニアック展」でもこの素数蝉の採集の様子が展示されているそうだ。きちんと関税の手続きなどもしてくれているだろうから安心できる。
今更だが素数蝉は13年周期、17年周期で地表に一斉に這い出てきて羽化し繁殖する蝉で十七年蝉は蟲としてはかなり長寿と言える。そして今年が13年と17年の異なる周期蝉が同時発生する221年ぶりの年だった。1兆匹とも言われる蝉がアメリカの一部地域に溢れかえったそうだ。
5月から6月にかけて発生し7月までには寿命を迎えたらしい。
同じ街の中でも密集する場所もあれば全く見かけない場所もあるとのこと。
蝉はそもそも飛翔能力が高くなく、長距離移動しないのだそうだ。
十三年蝉と十七年蝉は交雑しないのか。鳴き方が異なるため基本的には交雑しないそうだ。発声器官も少し異なっているかもしれない。
しかし素人目には形質的にはとても似通って見える。鳴くことは交尾の直前まで必要なのだろうか。目の前の脚が届くような距離にメスがいる時、オスが同種と同じように鳴ける必要はあるのだろうか。
ちなみに十三年蝉にも4種、十七年蝉にも3種がいる。素数蝉はなぜか北アメリカにしかいない。私がいただいた標本は以下のもの。
十七年蝉 Magicicada Cassini
十三年蝉 Magicicada tredecassini