高円寺ルック商店街にある定食屋「キッチン耕」。店主の銭谷耕大さんは画家でもあって味のあるほのぼのした絵を描いて店内に作品を飾ってくださっているので、時折食べに、見に言ってしまう。
生姜焼き定食が好きなのだけれども今日は鯖味噌煮定食。カキフライ定食もトンカツ定食も気になるのだよな。バランスよく、満腹になれる定食屋。犬猫ok。ご飯おかわり自由。絵がなくとも行きたくなるが、絵もあるのでますます見に行きたくなる。
私には描けない絵。形を整えてしまうと思う。「ヘタウマ」というスタイルが1番難しいと思っている。写実はひたすら現物通りに解像度を上げて細かく時間をかけていけばそれなりなモノに見えてくるし機械描画に勝てないものを人が挑む悲しさを感じてしまう。
私は自分の作品を写実的だと評されると悲しくなる。写実性の尺度で測ると全く実物に迫れていないし、特徴を掴んでデフォルメしていると思っているから。
京都のギャラリーで作品が売れたら購入しようと思いながら、作品を見ながら鯖味噌煮定食を美味しくいただいたのだが、食べ終わった後に衝動的にお迎えしてしまった。値段を聞いてみたら私の心の中で予め思っていた値段と一致したということもある。
実はトイレに飾らせてもらっている。家族のみんなが眼にする一等地はトイレだ。邪魔するものも何もない個室で向き合うところ。そこに見ていて楽しくなる何かを置きたいのだ。
もう子供も大きくなって簡単に汚したり壊したりすることもなくなってきたので我が家のありとあらゆるものを徐々に作家さんの作品に置換していきたい。こだわり抜いた好きなものに囲まれて暮らしたい。