自分の過去作を模倣するようになったらおしまいだ。私の作りたいものはまだまだ試行錯誤の途上で定型にして量産したいわけではない。
過去にもらわれていって好評だったものと似たようなものが欲しいという声があっても自己模倣は駄目だ。同じものを作る楽さの誘惑を絶って失敗するかもしれない何かを作ろう。
蟷螂。首も鎌も脚も腹も全て細く中から食い破ったような表現には向かないので今まで作れていなかった題材。気取ったようなポージングにしてみた。
ボーベリア菌に侵されたカマキリの個体は見かけても、カマキリを宿主とする冬虫夏草は今のところ発見されていないそうだ。ハリガネムシにかなりの確率で寄生されて命を落とすので冬虫夏草まで寄生されたら種が途絶えてしまうのかもしれない。
二つ折りになって腹から植物が育つように見えるノコギリクワガタ鉢。
あまり見かけない姿で魅力を伝えたい。
こちらは粘菌部分に新しい表現の試み。これを発泡させて侵蝕される様を出したい。ねっとり、べっとりと這い上がる感じ。いいかも。もっと形をあれこれ模索してみたい。
全部を覆うと蟲らしさが伝わりにくくなるので反対側はしっかりと露出。鉢に正面と裏がある感じか。
こちらも鉢から上部の蟲に這い上がるような粘菌。
過去からの学びとしては蟲を覆いすぎると何かわからなくなるということ。
次は蟲の体躯から溢れ出る、這い出るような形状にしてみようか。