副業で創作することの意義

時折見かけるのが本業作家、趣味作家の是非の議論。

 

制作物の質。

生活の糧として制作している方が、過剰な工数をかけずに「この程度で十分」「売れやすい売値に収めるとなると何時間以内、このぐらいの材料費まで」となる。アーティストよりも職人になりがち。

その点、趣味で作る人の方が表現そのものを目的としていて妥協がない場合が多いように思う。

 

制作物の量。

結局のところ、クオリティが突き抜けて需要に合えば好きなだけ手間と材料費をかけた作品が十分利益を上げられる値段で売れる境地に達するし、そこに本業であるか趣味であるかは関係ない。この状態を1流とする。

 

そこに至らない2流の段階においてはある程度稼ぐことを条件にしている分、本業の方がクオリティは低くなりがちだと思う。趣味の方が採算度外視で突き詰められる分、妥協のない作品を手頃な値段で帰る場合が多いように思う。

しかし2流から1流に上がるためには制作の質量が増える本業作家が有利なのではないか。数をこなすことにより技量も作業速度も上がる。それにより素晴らしい作品を妥当な工数と費用で作れる境地に辿り着ける確率は上がるのではないか。

 

残念ながら3流な段階においては趣味の作品は売れるクオリティにない。本業においても大量生産したり、安い材料仕入れ先を工夫したり、なんとかして少ない利幅を確保している状態なのだと思う。悲壮感を漂わせてこれだけの覚悟でやっていると過剰なアピールをする本業職人や認められなくても良いのだと嘯く自称ゴッホの趣味人はここに属す人が多いと思っている。

 

自分は今のところ2〜2.5流かな。3流と言われるかもしれないけれど。自信がついて調子に乗った瞬間と、まだまだ至らないことだらけの不甲斐なさの躁鬱乱高下。本業で平静を保っていられることとの対比が不可思議なほど大きい。ただ、悲観は全くしていないしどんどん良くなっていくはずだという根拠のない自信と理由のない創作意欲があるから大丈夫だと思っている。1流になれる可能性のある2〜2.5流ってところか。