全くボクシングにも各選手にも思い入れのない素人が誘われて堤聖也王者防衛戦、那須川天心戦、中谷潤人王者戦を観戦した意見であることを予めお断りしておく。先入観のない素人はこう感じるという一例として。

同じ体重階級ごとにも4つもボクシング団体があって合計17階級も細分化されている。72人もチャンピオンがいるって日産の役員数63人よりも多い。チャンピオンになっても世界一強いとは全くもって言えない状態はなんだかね。商業的理由でチャンピオンをたくさんつくれてしまう仕組みに思える。

1番盛り上がったのは堤聖也対比嘉大吾戦だったように思う。ヘッドバッティングはアクシデントだっただろうが、その後に左を攻めるチャレンジャーの冷徹さであったり、それに応じ切った王者といい圧倒された。知識のない素人にも手に汗握る攻防で顔面を流血させながら最後まで挑戦者を手数で圧倒した王者には熱くなるものがあった。圧倒され、感動し、声を出したら震えてそうな気がした。

那須川天心対モロニー戦、天心はあやうくダウンしかけてよろけても、かなり被弾していても 93ー97が2人、92ー98が1人の0ー3ような大差での一方的な那須川天心の判定勝ち。ネットを調べても判定点数を裏付けるような天心圧勝の声は皆無。ホームディシジョンで勝ったという書き込みが多いが日本で開催された試合だからエコ贔屓判定で勝ったと聞こえる。そういうものだと訳知り顔に説明されてもそれって素人には興醒めなのだが。世界戦タイトルマッチの多国籍な審判員とは別に用意された天心戦用の日本人審判員にそもそも公平性を感じられない。竹原慎二という日本人元王者が「 「98―92はありえないけどね、(そんな採点した審判員は)誰?」とコメントしているからにはボクシングがわかる人なら誰でも同じ結論に至るというシロモノでは全くなさそうだ。でもメキシコでも。。なんて話も聞きたくない。
那須川天心を客の呼べるスター選手として盛り上げていこうとする実態の伴わない珍妙さ、気味の悪い予定調和を感じた。場の空気が堤聖夜対比嘉大吾の熱戦から急速に冷めていくのを感じた。観ていて興奮しないのだよね、申し訳ないが。インファイトしたがるモロニーから逃げ回り、ダメージの伴わない当てるパンチで判定勝ち。
那須川天心戦だけを観戦して終わったらメインマッチがあるというのに帰ってしまう人がいることに驚いた。ボクサーとして強いかどうかと客を呼べるかは別物だと感じた。そして興行である以上、客の呼べるストーリーのあるヒーロー作りに関係者一丸で取り組んでいる印象を感じた。
最後まで逃げ回るスタイルの試合運びと対照的な饒舌で元気な勝利者インタビュー。そんなに元気が残ってるならもっとリングの中で魅せてくれよと思ってしまった。 那須川天心はもっと魅せる試合をするスターだと思い込んでいたが興醒めした。

有明アリーナ、21時半やそこらでメインマッチの試合が終わると防衛を果たしたチャンピオンのコメントも聞かずに席を立つ人が多数。マナーもチャンピオンへの敬意もないように感じた。ボクシングの試合とは、競技とはこういうものなのか。
AIによる公正客観なデジタル審判の導入は全くもって可能だろうけれどなされることはないのだろうな、と思った。
堤聖也対比嘉大吾戦のようなボクシングの試合ならまた見に来たいが、那須川天心戦のような試合でボクシングファンになることはない。はい、何も知らない素人には楽しめません。
余談。会場が寒い。途中からダウンジャケットを着て観戦した。ビールの売り子が何度も目の前に売りにきてくれるが勝っている人は少ない。体感的な盛り上げのためにも飲食の販促のためにも暖房は入れた方が良いのではないか。それとも選手の動きやすさのために夏は同程度に強冷房を入れているのか。そんな気はしない。
余談2。私は裸眼で視力が1.2〜1.5ある。しかし2階席からでは肉眼で選手の動きを追うには少し遠い。結局、リングの上の巨大スクリーンに映されるスクリーンばかり観ていた。それだったら家で追加費用を払わずにアマプラで観るのと変わらないのではないか。2階A席は33,000円。肉眼で十分に見える距離の1階席はさらに高額にもかかわらず途中で帰ってしまった空席も目立つ。自腹で購入したのではなく招待されたが来なかった人も多そうに思う。会場でスクリーンで観戦するために33,000円は随分と割高に感じる。