
目黒行人坂にある大圓寺は1620年前後に建てられた古い寺だという。江戸城の裏鬼門守護の寺として

1772年にこちらの本堂が出火元となって江戸の三大大火にも数えられる明和の大火が発生したという。流れの坊主が盗みを働くために放火したのが原因だという。結果、神田や浅草まで焼き尽くし1万4700人の死者、4000人もの行方不明者を出したそうだ。その供養として掘られた520体もの羅漢像石仏群。

そんな因縁の寺でありながら三大大黒にも数えられる開運出世大黒天が祀られている人気のパワースポットなのだという。
大勢の死の原因となった出火元で自分の開運出世を願うという人の営みの不可思議に滑稽さを感じる。
この寺の背後の雅叙園ホテルの宿泊客も、その横のオフィスビルで働く大企業の社員たちもどれだけが明和の大火や開運出世大黒天のことを知っているのだろう。異なるものに関心を持ってすれ違う人々の群像劇が面白い。