蠅取蜘蛛鉢 X「ロゲルシー」

f:id:mangokyoto:20200322130547j:plain

他に比べて随分と小さい鉢に乗った蠅取蜘蛛。

f:id:mangokyoto:20200326182724j:plain

 そして眼に異なる釉薬を塗り分けられた唯一の鉢。

f:id:mangokyoto:20200326213834j:plain

家の中をピョンピョンと跳ねている可愛らしい奴。英語だとジャンピングスパイダー。コバエやら虫を食べてくれる益虫で人間に危害を加えることは皆無。 蠅を取ることに着眼して名付けた日本人と、跳ねるように移動するその動きから名付けた英国人。

f:id:mangokyoto:20200326213814j:plain

すこぶる視力がいいらしい。アダーソンハエトリではなくミスジハエトリのつもり。どちらでも構わんのだが。

f:id:mangokyoto:20200328161533j:plain

雑居プランターに植えてあったロゲルシーを移植した。もともと、別の鉢に植えてあったが徒長してしまっており雑居プランター送りとなっていた不遇の株。上手に育てれば紅葉も綺麗な多肉植物なはずなので蠅取蜘蛛鉢で樹勢を取り戻してほしい。実はまったく鉢と植物の組み合わせにしっくりと来ていない。半年後に期待。

 

源五郎鉢 X「銘月」

f:id:mangokyoto:20200308185208j:plain

 遊泳毛のついた後肢の造形が決め手の源五郎

f:id:mangokyoto:20200326213633j:plain

斜め後方上に伸びた後肢は溶けて下がることなく焼き上がってくれた。 

f:id:mangokyoto:20200326213743j:plain

固い前翅の片方が開いてその隙間から植物が生えている仕様。

f:id:mangokyoto:20200326213720j:plain

 固い前翅の下にある後翅は省略。腹の段々と几帳面に表現してみた。

f:id:mangokyoto:20200326215138j:plain

ちなみに横から見た図。小さな脚を三点つけている。水生昆虫の源五郎なので、釉薬を雑に流し掛けして土肌をより広範囲に見せるようにして液体感を出してみた。

f:id:mangokyoto:20200328160213j:plain

植え込んだのは銘月。多肉植物としては雑な扱いで庭に野放図に植えた状態だったのだが、今回、こうして取り込んで専用の鉢に植えた。銘月の魅力はなんといっても悪環境にも負けずにひょろひょろと茎を伸ばしていく生命力の強さ。もう一曲がり、二曲がりしてくれたら面白くなるのではないか。

 

大花潜鉢 X「七宝珠錦」

f:id:mangokyoto:20200322130559j:plain

ゴライアスオオハナムグリだとかのような東南アジアの大型の花潜の近縁種を作りたかった。

f:id:mangokyoto:20200326182750j:plain

顔の釉薬が厚くてなぜか少しばかり豚のような顔になった。力強い鈎のついた前脚は雰囲気が出ているのではないか。天板に蟲の全長を収めるように作り始めたのだが、この虫に至っては当然のように前脚が天板をはみ出し、鉢を抱え込むような姿勢になっている。

f:id:mangokyoto:20200327093427j:plain

しかも土台鉢は大きめなのでシリーズの中ではより多くの土が入る。水切れに弱そうな多肉植物を優先して植えた方が良いか。

f:id:mangokyoto:20200327093522j:plain

そんなわけでセネキオ「七宝珠錦」を選んだ。棍棒が連結したような容姿と虫の中では骨太なハナムグリはなんとなくイメージが合うように思えた。

f:id:mangokyoto:20200327093456j:plain

  

f:id:mangokyoto:20200326213249j:plain

 想定外な問題がひとつ。穴が小さい。鉢を成形している時点では大花潜を乗せることも七宝珠錦を植えることも想定していなかった。f:id:mangokyoto:20200328160035j:plain

仕方がなく、二節の立派な七宝珠錦を途中で折り細い節を植え込んだ。健やかに根が張ってくれるだろうか。無事に根付いて2、3節まで元気に育ってくれたら見ごたえのある鉢になりそうな予感。2年後の姿に期待の一鉢。

大雀蜂鉢 X「仙女の舞」

これまた半年近く、窯場に置かれていた大雀蜂鉢。オオスズメバチバチは声に出すと語感が悪い。

f:id:mangokyoto:20200326182744j:plain

生きた大雀蜂は外で見かけただけで危機感を感じる。こちらを見ながらホバリングし、大顎をカチカチ鳴らされた日には冷や汗が出る。そんな凶悪、獰猛な大雀蜂の禍々しさが少しは感じられる見た目になったと思っている。

f:id:mangokyoto:20200326213530j:plain

 鉢を横に倒して写真を撮ると、蜂が壁にめり込んでいるかのよう。

f:id:mangokyoto:20200326213317j:plain

 毒針が鋭いままに焼き上がってくれたのは良かった。

 

蜂も蟻も近縁だからタイワンアリタケなどの菌に寄生されたりするのだろうか。タイワンアリタケは蟻に寄生すると筋肉系に侵食し宿主を高い木の小枝まで登らせ、菌は何某かを分泌して顎の筋肉を強制収縮させて枝に噛みつかせて絶命させる。その後、後頭部を突き破って子実体を作り、樹下の蟻に胞子を降らせて次の宿主を探す。もう調べていても書いていてもホラー。 脳や神経系を則ることなく筋肉を操作するというのだから、蟻からしたら恐怖。意識とは反して体が動いて死んでいくのだから。

f:id:mangokyoto:20200327093406j:plain

蜂に寄生する冬虫夏草「ハチタケ」をリアルに作るならば腹からではなく頭から生えさせた方が良いのかもしれない。次回要検討。

 

大雀蜂鉢は脚が細く混みあっているので植える植物は根元がすっきりしたものがよい。あまりアクが強くない植物。

 

f:id:mangokyoto:20200328160411j:plain そこでカランコエ「仙女の舞」を選んだ。なぜか「仙人の舞」よりも「仙女の舞」のほうが毛深い。茎が一本、すっきりとまっすぐ伸び、先に黄金色のビロードのような毛を生やした葉を広げる。

f:id:mangokyoto:20200328160351j:plain

蜂のサイズに対して随分と立派な多肉植物が植わった。根を整理して挿し込んでいるのだが、無事に根を張ってくれることを願う。

蚕蛾鉢 X「シルバーブルニア」

f:id:mangokyoto:20200322130617j:plain

 完成後に振り替えると眼が大きすぎたかもしれない。顔の先がとがり気味に作っていたのだが

f:id:mangokyoto:20200326182654j:plain

焼成後には釉薬が顔の先に垂れてきて埋まってしまった。大きすぎた眼もよくわからなくなっている。素焼きの状態では立ち上がっていた右翅が焼成時に溶けて下がってしまった。結果として片方だけ上がっているよりも両翅とも下がっている方が良かったのかもしれない。釉薬が掛かった翅の重量を細い翅の付け根では支えきれない。次回に多様な構造のものを作る際にどうしたらよいものか。 

f:id:mangokyoto:20200326213935j:plain

 ディテールが失われてしまいはしたが、うまく素地の黒土が透けて見える蚕蛾が焼き上がった。大きな触覚の微細な毛の雰囲気が残ったのは良かった。 

f:id:mangokyoto:20200327093655j:plain

 底の縁に撥水材を塗るのを忘れていた。釉垂れしてしまっていたのだが、幸い簡単に棚板から外れてくれた。失敗からの僥倖で飾った際にもまるで粘性の高い液体のように見えて面白い。

f:id:mangokyoto:20200327093712j:plain

組み合わせた植物は「シルバーブルニア」という南アフリカの植物。見かけた際には「これしかない」と思える、ホコリカビや冬虫夏草の子実体を思わせる花の形状。そして蚕蛾のイメージに沿う白。同じく南アフリカの似た形状の花バーゼリアだとしばらくして花弁が開いてしまい、球のまま残らなかった。

これですでに数週間干してドライフラワーと化している。つまりここから色も形もかわらない。乾燥した花材を挿し込んでいるだけなので、水やりも要らないし、陽に当たるところに置く必要もない。つまり陽の当たらない本棚や室内の飾り棚にもおけるというわけだ。いろいろと理想的な素材に出会えた。

f:id:mangokyoto:20200327093627j:plain

「シルバーブルニア」が大量に欲しい。売っている店も売っている時期もよくわからず、見かけたら買っているが1枝800円もしたりするのだよな。苗を手に入れて育てたいのだが、苗はもっとみつからない。

陶蟲夏草シリーズが棚にずらりと

f:id:mangokyoto:20200328161201j:plain

私が好きなもの。和レトロ。木目。陶。虫。多肉植物

 

それら要素が凝縮された空間が書斎の机の上にできた。PCから目線を上げれば虫鉢が並んでいる。連日在宅テレワークとなって3週間になるが、朝から晩まで続く電話会議の向こう側でまくしたてる会話の中身が入ってこない。ぼーっと多肉植物を眺めながら生返事を返す。気を引き締めないと。

f:id:mangokyoto:20200328161259j:plain

個別においてもいいけれども、並べるとそれで構成される世界観というのはあるのではないか。まっすぐなモノ、ひょろひょろ曲がりくねったモノ、紡錘形のモノ、玉のようなモノ。多肉植物の個性的な形状の違いがグラデーションのように並ぶのも楽しい。

f:id:mangokyoto:20200328161239j:plain

おカイコ様。お白様。完璧な出来ではないけれども、なんだかんだやはり「蚕蛾」と「シルバーブルニア」の組み合わせが自画自賛ながら最高ではなかろうかと。

白さが虫の存在にそもそも即している。

植物の形状が冬虫夏草の子実体のイメージに近い。

なんだか神々しくすら見えて来やしないか。

養蚕場見学に行きたい。群馬の蚕種はとりわけ絹糸が細く高品質と聞く。

 

期待以上 

蚕蛾 X  シルバーブルニア

 

満足 

大雀蜂 X 仙女の舞

源五郎 X 銘月

蝉幼虫 貸出中

花潜 貸出中

 

そこそこ 多肉の成長で魅力が増すことに期待

蠅取蜘蛛 X ロゲルシー

大花潜 X 七宝珠錦

玉虫 X オーロラ

亀虫 X 銘月

 

制作中

団子虫

蠅取蜘蛛(アダンソン)

 

f:id:mangokyoto:20200328131649j:plain

 庭の山椒の花が咲き、木の芽が瑞々しく茂り始めていた。これを毎年、食べつくしに来るクロアゲハの幼虫を模した陶鉢も作らんとな。

f:id:mangokyoto:20200328172215j:plain

新牛蒡を1時間あく抜きし、葱を事前にフライパンで炙り、アゴ出汁をしっかりとって純米吟醸酒味醂と醤油を加えて土鍋で炊いた。木の芽の香りが鮮烈な季節になると作りたくなる、少し贅沢な大きな国産鰻を混ぜた鰻土鍋御飯。

 

新型コロナウイルスの爆発感染を防ぐために東京都では週末に外出自粛要請が出ている。平日も週末も家でずっと時間を一緒に過ごす子供たちと心に余裕をもって接する為にも、精神的な充足は自分で今ある環境から見出していかないといけない。今のところは幸いにしてできている。

山羊頭鉢 X レトロ裸電球

f:id:mangokyoto:20200326182832j:plain

半年間、窯場で本焼成待ちをしていた山羊頭鉢をようやく焼くことができた。釉垂れも変形も破損もなくうまく焼けたと思う。

 

底には水抜き穴を設けてあるれっきとした植木鉢なのだけれども、意図した別の用途がある。

f:id:mangokyoto:20200327094255j:plain 鉢の中にソケットを仕込み、首の後ろのスリットからコードを出して頭の上から裸電球が出るようにした。

f:id:mangokyoto:20200327094508j:plain

そう、ランプ台。明るい日中だと照明をつけてもまぶしくない程度のルーメン。頭の中で描いていたのは筒状の細長い裸電球なのだが手元にないのでとりあえず適当な裸電球を嵌めてみた。静物的な山羊の表情と土っぽさが残った陶肌は気に入っている。

f:id:mangokyoto:20200327094559j:plain

工房の方は、何やら哲学的な表情をした山羊ですね、とのこと。山羊哲学なんてものがあるだろうか。

f:id:mangokyoto:20200327094704j:plain

フィラメントの華奢な線が見ていて飽きない。

f:id:mangokyoto:20200326212714j:plain

 夜に灯すと、電球の光源が近いので角の鈍い黒光りが増し、雰囲気がまた変わる。 

f:id:mangokyoto:20200326212036j:plain

鉢の底は分厚くしてあり重心が低く安定性もすこぶる良い。

f:id:mangokyoto:20200326214556j:plain

なかなか満足のいる作品が焼けたと思う。