山羊上下半身紐吊り鉢

早速、家に帰って組み立ててみた。はい。角を不注意で折りましたとも。こんなもの、気にしてられない。陶器用接着剤でくっつけるだけのことだ。

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青い針金で上半身と下半身を縫い合わせて吊るす。文字にすると少し猟奇的な響きだ。

後脚の腿の土割れが気に入っている。綺麗に厚く白く釉薬がかかっていると面白くない。


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流石にこの真冬日にサボテンや多肉植物の植替えはできないので春まで待つことになりそう。とりあえず雰囲気だけでも掴もうと枯死したサボテンを乗せてみる。こんな感じでマミラリアの群頭なんかを植え込んでみたい。

そういえば飲み込まれた子山羊のかわりに狼の腹を裂いて岩を入れて縫い合わせるのは童話「狼と7匹の子山羊」だったか。

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遠目に見ると、なかなかリアルだったりする。影のシルエットも良い味を出している。なぜ部屋の中で山羊が吊られているのか、に答えなどない。

こんなのを3、4頭ほど作って吊るしてモビールのようにして陽の当たる窓際に揺れさせたら更に面白くなるかもしれない。

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なかなか満足のいく出来。次回はさらに胴の接続部を綺麗に作りたい。


オオゼキスーパーで田酒が買えるとは

オオゼキスーパーに来てみたら入口そばの日本酒コーナーに度肝を抜かれる。ローカルスーパーの品揃えとは思えない全国的知名度を持つ日本酒が揃い踏み。

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「栄光富士」 アルケミスト

写楽

「伯楽星」

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鳳凰美田」各種 ブラックフェニックスも

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さらに「風の森」も酵母違いが807、657と並ぶ。「鍋島」も置いてあった。

え、「田酒」まで置いているのか。

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コスパに優れた「風の森」も「栄光富士」も魅力的だったが、そこらの店でまず見かけることの少ない田酒を買わずにはいられなかった。


純米吟醸 百四拾 華想いという酒米を100%使用した企画生産品。

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都内の飲食店で飲むと7勺で1000円近くするのではないか。これが家で飲めるなら、ますます外食しなくなるのでは。


それもこれも緩和の方向に進んでいるとはいえコロナ禍で飲食店の客足が少ないために、以前ならば回ってこなかったような人気酒が回ってくるのだろう。手に入りずらい銘酒が身近なスーパーで買えることは良いことなのか。酒蔵としては同じ仕入れ値ならば飲食店でも小売店でも構わないのかね。


久しぶりの窯出し成果は上々

今回、焼き上がった量は少ないけれども出来上がりの調子は良いかもしれない。他で不調なことが多いと慰めに陶芸の神様は気を使ってくれるのか。


濃翠スリット兄弟筒鉢。80点。

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まずは筒型サボテン用鉢を2つ。ほぼ真っ白で割れ目の周囲だけ濃翠。抑制的で色も主張しすぎずに焼けたように思う。


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実は裏にだけ緑青銅釉を塗って表側は白い釉薬だけなはずなのだが溶けて混ざって表側にも発色した。不思議。


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割れ目は隙間が縦に長く入っている。筒がかなり長い鉢だと湿気が抜けにくくなる恐れがある。乾燥気味に育てたいサボテンを植えるには横から湿気が逃げる構造が良いのではないかと思って作ってみた。

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はよ、植込みたい。


山羊上下半身紐吊り鉢。70点。

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山羊鉢の上半身と下半身。胴の継ぎ目が釉垂れして不細工なことになってしまっていたのだが、実用の上では問題ないだろう。

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紐を通す穴も釉薬で潰れることなく焼けた。下半身の水抜き穴も通っている。

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背中には植え込んだ植物を出すために開口部を広くしている。


マグネシヤ釉ゴブレット 50点。

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ゴブレット2つ。脚に緑青銅釉を塗って焼いた方は発色ムラが出てしまった。焼き直した方が良いのだろうか。

右は問題なく焼き上がった。

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形も及第点。意外と右の方が持ちやすい。杯の下を膨らませるとその上と下に指が分かれてグリップが良くなる。それにしても左のゴブレットの発色焼き上がりが残念。

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上から見ても薄く円く焼けている。

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工房の庭の名前の知らない花を投げ入れて撮ってみた。


このゴブレットで「田酒」を飲みたい。



団子虫陶蟲夏草鉢の注文制作5

無事に焼けていますようにと祈る気持ちで小窯の窯出し。普段は2人以上立ち会いの元で窯出しするのがルールだが、私の作品しか入っていないので許されている。慎重にブレーカー、主電源が切れていることを確認して窯の扉を開ける。感電すると即死だ。すぐに気づいてくれる人もいないので気をつけないといけない。


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どうだろう。上手く焼けたと思っている。白化した団子虫の死骸が黒い岩に載っている鉢。中は空洞になっている。

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脚などの繊細な部分は釉薬でしっかりと保護強化し、外殻部分は土肌とヒビを露出させて風化しつつある雰囲気を出している。裏には厚く釉薬を掛けているのでそんなに脆くはないはず。

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植込み開口部。植替えがしにくいだろうが、団子虫から冬虫夏草のように盆栽植物が生えてきている姿を優先した。

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釉薬を掛けて強度を出しながら外殻周囲の土肌で風化を表現するという合わせ技の試みは成功したと言っても良いのではないか。

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こちらは苔を張ってもらうことを想定した土台部分。シリコンカーバイドで発泡させることで苔の仮根が入り込んで活着しやすくすることを意図している。私としてはもっと発泡させるつもりだったのだが配合比率が少し低かったのかもしれない。配合比率2%前後が推奨らしいが混ざる対象の釉薬にも左右されるのだろう。

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団子虫の頭方向から。

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背中側から。右手崖下の出っ張りには穴が空いている。そこに枯れた根を差し込んで空中に露出させるとさらに崖崩れ跡のようなジオラマ的臨場感が出せるのではないか。左手側の緩やかな稜線には苔を張ってもらうことを想定。水が苔を伝って緩やかに落ちていくように。

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苔を張ってもらう尻側。


あくまでも植えてなんぼの植木鉢なので是非植え込んだ姿を見てみたい。本当の評価は植物と一体となってからだ。


信楽白土、マグネシヤマット釉薬

黒泥土、金ラスター釉筆塗り後剥離、シリコンカーバイド2%配合金ラスター釉を部分的に筆塗り。

電気窯1230℃酸化焼成

焼成後重量1200g。



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もう一つの注文制作品。こちらは団子虫を黒メタリックに仕上げた。より新鮮な死骸風。

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こちらの方が外殻も脚もシャープな輪郭に造られている。私が普段作らないぐらいに下の丸鉢の腰下に厚みを持たせて重心を下げ、鉢が転倒しづらく努めている。

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団子虫を少し無機質な風合いにしている分、丸鉢は一号透明釉をかなり厚めに掛けて鬼萩や梅花皮のような凹凸が出てアメーバ的になっている。汁っぽく滴る寸前。こちらの鉢には木より草モノが似合いそうだ。


黒泥土、マンガン窯変釉筆塗り。

赤土4号、1号透明釉ドブ漬け。

電気窯1230℃酸化焼成

焼成後重量750g。


テストピース無しのぶっつけ本番仕込みなので不安があったが自分の作品として人様に納める水準には達したと思う。手元に置いておきたいと思える作品にはなった。あとは植物が植え込まれて鉢と馴染んだ姿を見てみたい。


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ホヘンベルギア ステラタ

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行きつけの花屋で珍奇な花材を見つけた。ホヘンベルギア ステラタというらしい。パイナップル科ホヘンベルギア属ということでパイナップルの遠戚だ。

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赤いのは葉が変形した苞で紫の部分が花らしい。

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花言葉「力強い支え」

たぶんドライになると書かれていたので買ってみたが、ネットで探してもドライフラワーになったものは出てこない。本当か。苞はカサカサとしているので色は残るのかもしれない。


ホコリカビ鉢が花材立てに丁度良い。

注文依頼品の窯詰め


夕方、30分だけ暇を見つけて工房に立ち寄って窯詰めした。

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注文依頼品の窯詰め。いよいよだ。

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奥に注文品を2点。右手に柱サボテン用の兄弟鉢、手前に山羊鉢、ゴブレット、そしてもう一つの注文品の角部分だけを入れることができた。小窯は重ねられないのであまり入らない。

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電気窯による1230℃の酸化焼成


窯元の焼き場には大抵、神棚が設けられて祀られている。作陶するものにとって、理論を積み重ねても穴窯からマイコン操作の電気窯になっても完全に思う通りに行くということはなく、どうしても神に祈りたくなる。



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こちらは順調に乾燥の進む、用途のない置物。

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乾燥して縮む工程の中でそれなりに滑らかだった肌がゴツゴツになっている。柔らかい締まってない土を表面になすりつけたので収縮率の違いが現れたのかもしれない。

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背骨は明らかに滑らかさが消えた。素焼きして軽く紙やすりをかけて滑らかにしたら良いだろうか。


素焼き作品が貯まるまでもう数週間、乾かそう。茶会の抹茶碗制作もそろそろ始めたい。素焼きはそれら抹茶碗に合わせて、かね。


吉祥寺 鉱物カフェ

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吉祥寺の駅から遠くないが人の流れのない一画にひっそりとあるカフェに行ってみた。

鉱物をテーマに据えた博物趣味の店。荻窪の「チャンバー オブ レイブン」と大きな方向性は似ているが、こちらは深くどっぷり鉱物の世界。

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飲物は単価1200円前後、スイーツも1200円以上と安くはない。好きな人だけ来てくれたら良いというスタンスらしい。

以前は西荻窪にあったのだが、マナーの悪い客も含めて行列ができて忙しすぎたので駅から遠くなく、それでいてひっそりと分かりにくい場所に移転したのだそうだ。

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以前は写真okにしていたそうだが、一眼レフやマクロで執拗に撮影し、商品を破損しても知らんぷりの客がいたそうな。現在は座席からスマホでフードやドリンクやその周辺を撮る分にはokというルールにしているらしい。

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上に乗っているのは琥珀糖かね。下のチョコレートシューも美味しかった。

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店主が編集執筆した鉱物見タテ図鑑という本に収録された鉱物と同一のものが目の前に並んでいる。こういう店は写真を撮って終わりにするよりも店主の深い鉱物への偏愛を語ってもらうのが最高に楽しい。

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創作意欲がとても刺激される。


鉱物結晶っぽい陶器鉢を作ってみたくなる。八面体や五角十二面体など。

一部を陶器、一部に紫水晶なんかの手軽な鉱物を後から埋め込んだものはどうか。

針金で結晶を嵌める枠を作ってモビールにするのも良い。

陶器の展示台を作るのも良いな。


こういう路線の多肉植物サボテン愛好家が集うようなカフェが世の中には必要。身近にできてくれないなら定年近くなったら自分で作ろうかとさえ思っている。

高単価にして客層を選んでゆったりしたペースで営む模範例。