素焼き、釉掛け、本焼き

素焼きの終わった鉢たち。陶芸教室が閉鎖され私一人しか陶器を焼く人がいないので大窯が埋まらない。 なんとも申し訳ない話だ。 今回の試行錯誤の目玉。半身を白い釉薬、半身には瓦礫をまとわせ、さらに薄く希釈した白い釉薬を掛けている。ところどころ塗り…

今後の作品の方向性「風前塵」

人生の折り返しをすぎると虚無感との戦いだと思っている。 平家物語の冒頭は簡潔にしてこれ以上、一語として引く余地がない。 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごと…

企画展に陶器鉢を納品

舞台を作ってあげると映える気がする。自然造形でありながらも「もしも」をテーマにしているので現実にはありえない三葉虫やオパビニア、アンモナイトに冬虫夏草が生えたらという想像の産物を作ってみた。ウサギノネドコ「もしも博物展」だけでしか作るつも…

陶蟲夏草鉢「ヨツコブとミカヅキ ツノゼミ」

ヨツコブツノゼミを作り直した。 鉢部分がつるつるすべすべでこれもまた良い。 しかしこうして見ると少し左に傾げてしまっている。もっと土を締めて乾燥途中でも矯正すれば良いのかもしれないけれども、素焼き時に土のくせで曲がるのでやはり難しい。 本物の…

陶蟲夏草鉢「ダンゴムシ」 X 出雲大社藪椿

年をとるごとに椿が好きになってくる。しかもこの出雲大社藪椿のような筒咲きで一重の素朴で控えめで可憐な花に。出雲大社藪椿は原種に近い形を保っている品種でもある。 この赤は日本を代表する赤の一つではないか。その深みと濃さにおいて。 学名はcamelli…

陶蟲夏草鉢「三葉虫」 x 著莪

著莪の花が庭に咲く。Iris japonica。日本を代表するのは菖蒲や杜若ではなくこのシャガなのかもしれない。 三葉虫に三輪の著莪。 森の中に群生を見かけたりする。原種なので人が世話することなくとも綺麗に咲かせる。

陶蟲夏草鉢「ゾウムシ」にユーフォルビア

サボテンは頑丈でいて気づかないうちに貝殻虫の大群に襲われて枯れたりする。一番頑健なのは実はサボテンにフォルムのよく似たユーフォルビアではないだろうか。 そんなわけでゾウムシ鉢にユーフォルビアを植え替えてみた。 形状も粘菌子実体っぽさがある。…

陶蟲夏草鉢「ダンゴムシ 前半身起立」

貰い手が見つかった。大学卒業したての新入社員を私の部下として預からせてもらった人で今は海外の遠国で働く。今や様々な困難を乗り換え異国でバリバリ働く一児の母だ。 頑張って欲しい。 ちなみにダンゴムシは出せば完売する人気モチーフだったりする。 人…

椿三昧

この季節はどこにいっても街のあちこちに椿が咲いていて楽しい。我が家の玉の浦も大輪の花を咲かせてくれていた。花弁の縁の白があまり出ていないけれども。 赤に白が入った絞りも良い。 血潮も自分の手元に置くには重たいけれども街中で見かけると楽しい。 …

大窯素焼きとダンゴムシ+ビカクシダ

土曜日は朝、ジョギングして汗を流し、工房に引きこもって平日の仕事を忘れるのが日課になりつつある。日曜日は子供と遊び、ご飯を作る。毎週繰り返しの変わらないルーチンというのも落ち着く。 大きめのジオラマ鉢、高さのあるカブトムシ蛹鉢など6点は小窯…

ギラファホソアカクワガタ鉢にヒヤシンス

鉢と同じぐらいの直径のヒヤシンスの花房。 チャームポイントは固い前翅の浮き上がった隙間から生える子実体。

ダンゴムシ全身鉢2つ造形完了

大きなダンゴムシそのままの植木鉢を作る試み。 子実体も加飾。 頭部側の腹部は蓋になっており足を摘んで取り外し可能にした。 もう一つ。粘菌子実体に包み込まれ、押し上げられたかのようなダンゴムシ鉢。 全方位からニョキニョキと生えた子実体に囲まれて…

花遊び 其のニ

ペルシャ地方で6万年前からネアンデルタール人が墓にムスカリの花を手向けていたことが確認されている。原種からさほど姿を変えていないそうなので、ネアンデルタール人が愛でた姿を私たちも見ているのか。 紫と翡翠色の組み合わせも爽やかで良い。 ヨツコブ…

庭から春の花々

巨大に咲いたヒヤシンス。人為的に過度に栄養を溜め込まれた球根がそれを後先考えずに一気に吐き出すように咲く。少しグロテスクさも感じてしまう。 部屋全体にむせるほどの濃い香りが漂う。 私の自宅近所は濃桃色の花が多いように思う。窓辺に置き、朝陽を…

陶蟲夏草鉢「トゲトゲダンゴムシ」

トゲトゲダンゴムシには躍動感あふれて伸びていく菌糸体のようにも見える植物の種子を合わせてみた。 翡翠色の子実体がにょきにょきと生えてきている様も気に入っている。 こういう冬虫夏草茸は実際にいるよな、とほくそ笑む。 湿度に弱いサボテンを植え込む…

陶蟲夏草鉢「ダンゴムシ 半身」

鉢自体は小さく留めつつ、ダンゴムシを大きく作るために半身だけにした。なかなか良い顔つきに作れたように思う。 頭の傷も愛嬌。 グソクムシっぽい造形が自分で気に入っている。ダンゴムシを大きく作るのも良いかもしれない。 何を植えるのが良いだろうか。…

トゲトゲダンゴムシ全身鉢 造作

小鉢を一式作り終えたので少しばかり大物を作る。 全身が鉢そのもの。 乾燥加減との戦い。 ダンゴムシはその身体の丸みから土を入れて植え込みやすくはあるのだけれども、通気性と排水性の確保が悩ましかった。 トゲトゲダンゴムシにすることでそのトゲを鉢…

陶蟲夏草鉢 本焼き窯出し 9鉢

小窯での本焼成の窯出し。窯に破損なし。作品も癒着、釉垂れもなく完品。 焼成費を支払うための計量を行う。毎回、重量を見てイタタタと内心痛がってしまう。軽く作りたいが植え込んだ後の安定を考えるとある程度、重心の低さのための重さも必要なのだよな。…

18/18 造形完了

テナガコガネを作ってみた。真正面から見ると愛嬌がある。 前脚を持て余すほど長い。焼成過程で壊れるとしたらここだが、前脚が欠けてしまうとテナガコガネらしさが大きく損なわれてしまう。無事に焼き上がりますように。 開口部は植物の植えやすさを思うと…

陶蟲夏草一輪挿し「ダンゴムシ」と水仙

庭に次々と花が咲き、活けて飾るのも楽しい。 白い背景壁に白い陶器、そこに白い顎の水仙。水仙の中央の顎だけが黄色い。色数は少ないようでこんなにも豊か。 あれ、この写真めっちゃ良くないか。iPhoneで撮ったとは思えない。 菌子実体を加飾しない陶蟲だけ…

神々しい朝の陽光と深い青紫、陶蟲夏草鉢「蚕蛾」

春秋のよく晴れた朝の陽光は魔術をかけてくれる。 水耕栽培で咲かせたヒヤシンスの球根を庭に地植えしたものは施肥もしておらず小さく咲いた。その代わり、花びらの紫に子房の深い、深い青は素晴らしい。 触角も翅もボロボロになった姿に愛おしさを感じてし…

蝉透かし翅鉢造形と本焼き

日々、挑戦あるのみ。ということで翅を透かし彫りした蝉成虫の陶蟲夏草鉢を作った。 確実に衝撃で破損しやすいので太い子実体をガードの為に生やした。それでも当たりどころが悪ければすぐ破損してしまうのだろう。 それでも、蝉の成虫の儚さを表現するのに…

作陶について 土の風化と崩壊を取り込む

「陶蟲夏草」という作家名で冬虫夏草をモチーフに植木鉢を作っている。 instagramのアカウントを作り作品を載せ始めたらありがたいことに誘われるがままに今年は5つの展示会に出すことになった。自ら博物フェスティバルというイベントに参加応募してみようと…

16/18 造形完了

ヘラクレスが顔が可愛らしくできた。 上の角が折れやすそうだが、こればかりは仕方がない。折れにくい太く丸めた形にしたら鈍重になってつまらない。 ノコギリクワガタの頭胸部だけの亡骸。 作り込みたくなるのを我慢してシンプルに。 オカダンゴムシ。複雑…

ピンクヒヤシンスと陶蟲夏草鉢

ピンク色のヒヤシンスが咲いていたので切花にして遊ぶ。 初期の造形の蝉。 触角がないな、とか 脚の節が足らないな、とか あれこれ至らなさを思う。 運搬に不向きすぎる作品は手元に残っている。 もう少し、手元に秀作も残すようにしたい。

シアトルの博物標本店「Ballyhoo Curiosity Shop」

バスに乗って40分の距離にあるBallyhoo Curiosity Shopへ。ネットを見ると品揃えはそんなに良いわけではなく、天気は大雨なので行くべきか迷った。店はとても小さいかもしれないしバス停から10分ほど歩かないといけない道中が安全なのかもわからない。 しか…

10/18 造形完了

試して失敗するのが1番の近道。 波が来た。工房に朝から籠り6時間は粘るも寒過ぎて身体の芯まで冷えてきてこれ以上留まると風邪を引く可能性が高そうに思えたので退散。もう一個ぐらい作りたかったが2鉢の造形を完了させて退室。 勝手な想像生物ではなくて実…

メタリフェルホソアカクワガタ

メタリフェルの青い個体。遠目に見て即座に購入を決めた。黄銅、紫や赤味を帯びた個体は多いが青は少し珍しい。 青と紫をガラスドームに収めた。 構造色だからか、LED強光に照らすと青は感じられず、金属の複雑な干渉模様のようなものが見られる。 良い作陶…

INSECT PORT

昨年7月にも催された蟲生体と標本のポップアップストア「INSECT PORT」の第二回が高円寺で催されていた。 先行入場券が配られ、11時の開場20分前から30人以上が行列していた。恐るべし、蟲人気。@insectport_tokyo @pseudochalcotheapomacea @ginp_o @c.syco…

6/18鉢 造形完了

4月から7月まで開催のウサギノネドコ東京店の「もしも博物展」に向けた制作。 赤4号土の轆轤挽きに苦戦した。工房の先生曰く赤土はやはりコシが弱いので他の土と混ぜて使うことを推奨することが多いそうだ。薄く挽くのは難しくとも、求めるテクスチャーのた…