作陶 鵙にサキュレント梅

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夏の間、挽いては削りを繰り返していたので素焼き鉢がこんなに溜まった。

 

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全体のお題は鬼板での鉄絵付け練習。一部を除き小さな作品にも絵付けして焼きたいと思う。


全て4号赤土で成形

1.台座付き鵙絵蓋鉢 1号透明釉 還元焼成

2.三角鎬鉢 白マット 酸化焼成

3.鎬吊下壺 白マット 酸化焼成

4.馬上小猪口 辰砂 酸化焼成

5.天目茶碗 辰砂 酸化焼成

6.馬上中盃 マンガン窯変釉にロゴ光彩ラスター

7.酒器 高型 マンガン窯変釉にロゴ光彩ラスター 酸化焼成

14.深酒猪口 マンガン窯変釉にロゴ光彩ラスター

17.割れ鉢 割目にビードロ薄緑 酸化

18.断面割れオブジェ鉢 ビードロ薄緑 酸化

19.断面割れオブジェ鉢2 マンガン窯変 酸化

21.四季蓮絵角鉢 鉄絵 土灰3号 還元焼成 

今回はここまで。次回からは、


8.酒器 低型 マグネシアマットにロゴ金彩釉筆塗り 酸化焼成

9.片口 鉄絵

10.ひしゃげ鉢 鉄絵 多肉 辰砂 縁マンガン

11.盃 犬の水飲み鉄絵 辰砂 酸化焼成

12.小肩衝筒鉢 鉄絵 虫 

13.中首鉢 鉄絵 多肉 辰砂 縁マンガン

15.筒深鉢1

16.筒深鉢2

20.犬像台座鉢 焼締


 

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鬼板で枝に留まる鵙を描いてみた。濃淡二種の鬼板を使い分けているのだが、きちんと差となって現れるだろうか。

 

枝に咲く梅のようにロゼット状の多肉を植えたい。鉢の大きさからすると、大きめな株を植えるだけの容量があるのだが、鵙と枝のバランスを考えると、小さな多肉が似合う。随分と贅沢な鉢になる。

 

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鉄絵は釉薬に溶け込んでしまうので、細く描いた線は薄くした釉薬でないと発色しなかったりボケてしまったりするそうだ。鵙と枝はかなり細い線で書いているのできちんと出るか心配。

 

1号透明釉を掛けた。蓋はかき混ぜた後に少し沈殿して薄くなった状態で掛け、さらにかき混ぜたものを掛け直した。吉と出るか、凶と出るか。

 

焼き上がりが楽しみな一鉢ができた。還元焼成は窯一杯に作品が溜まるのが時間がかかる。ので気長に待とう。

上海からタクシーでいける寛ぎの水郷古鎮「朱家角

  • 上海からタクシーで行ける近さ

  • 巡ってまわりたい快適カフェ多数
  • 夜や早朝は静かで人も少ない憩いの場
  • 日帰りよりも泊まりがオススメ
  • 清潔で趣のある古民家ゲストハウスが幾つかある
  • 水郷の水は臭くない。真夏でも上海市街より涼しい
  • 正直なところ、粽も角煮も美味しくはなかった

取り敢えず中国出張の日程は終了した。ストレスが溜まっているときは判断ごとは避けるに限る。自分と対等レベルの人との交渉ごとや折衝も避けるに越したことはない。イライラが言葉尻に出てしまいがち。一旦、仕事のことは忘れよう。

 

夜の1時に床に就いたというのに朝は5時に目が覚めてしまい、10時過ぎまで無気力にベットの上で寝たり起きたりを繰り返した。変な具合に神経が昂ぶっているみたいだ。そしてこれではダメだと気持ちを切り替え、朱家角という上海郊外の水郷古鎮に足を伸ばした。

 

朱家角は16世紀に現在の姿が概ね形成された水運の要衝だそうだ。運河に面して建物が立ち並び、その裏道を歩いて行く西湖街周辺エリアと運河沿いに歩道が作られた北大街周辺があり、その真ん中にはこの古鎮のシンボルでもある放生橋と大きな寺院がある。街そのものはカフェでの休憩も含めて3時間も歩けば周り尽くせてしまう。

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歩き尽くして、もうめぼしい観光名所もなさそうだわ、と気持ちを切り替えて、そこらへんに腰掛けて往来を眺めたり、カフェで長居したり。そういうのが安らぐのだと思う。

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こじんまりとして、街の全体像もすぐ頭の中に入ってしまう規模の水郷が大層、気に入った。

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対面の人をかわしながら進む裏道の雑踏と賑わい。ここの名物でもある豚角煮や鶏肉入り粽を食べながら歩くのも良い。

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放生橋の周辺は再開発が進み、バーやアイスクリーム屋、スターバックスに加えて高級だがセンスの良い雑貨屋がいくつかあった。田子坊に似ているかもしれない。街並みに合わせた灰色と白主体の色合いではあるものの、再開発されたハコモノは風情に乏しい。

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これだけ船頭が漕ぐ船が往来しているならば東洋のベニスと名乗っても許されるように思う。

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観光客には見えない、その場に自然と溶け込んだ子供達。近所の子らだろうか。

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「人民安楽」の梵鐘。青海波紋。


上海から憩いを求めて訪れた人にとって、一番魅力的なのは放生橋周辺の喧騒よりも、水路がY字に分岐した箇所から西湖街にかけての細い水路の街並み、そして小さな雑貨屋と無数のカフェだと思う。


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石橋が多いのだが、このような屋根付きの木製橋もある。歩くシルエットが詩的ですな。

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西湖街らへんまで来ると、そこに住む人たちの日常が感じられるようになる。

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中観音橋のたもとにある喫茶店で昼食にした。麺類やビールもある。寄木細工と天井に吊られた傘がいかにもな中国らしさを盛り上げてくれる。窓越しには橋向こうの御堂が都合よく目の前に見える。その縁に腰をかけ、釣竿を垂らす人の釣果のほどを眺めているのも楽しい。

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喫茶店をもうひとつ。こちらは入り口が石橋のすぐ脇の二階にあり、調度品が素晴らしい。

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窓辺の席は上等なソファの対面席。高級感がありつつも、色がうるさいわけでもなく快適。

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時折、屋内に吊られた籠の鳥が鳴く。

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こういう光景を見ると、自宅の我が家の窓辺を緑化したいと思う。逆光が透過する葉の美しいことよ。

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茉莉花茶を頼んだのだがわからずに戸惑っていると中国の作法に則ってお茶を淹れてくれた。58RMBと少し高めではあるものの、お代わりのお湯は自分で沸かし直せて飲めるし、喧騒から離れて長時間寛げるので値打ちがあると思う。小説を読みながら1時間半ほど寛がせてもらった。


外から眺めても、雰囲気の良さそうなカフェがあちこちにあった。2回目に訪れても飽きずに楽しめそうな気がする。

 

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宿はMyWayという水路に面した古民家ゲストハウス。一泊180RMB也。日本円にして3000円しないのだからお値打ちだと思う。

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朝陽を水面が反射して屋内の天井がきらきらと輝く。いや、気持ちの良い朝だこと。

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 田舎の婆様の蔵にあったような扉のついた階段から2階へと上がる。

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部屋は広くはないが、エアコンも付いており、特に不満もない。トイレとシャワーは共同だがお湯も出た。これで十分。


78階の眺めがあるような高級ホテルに泊まっていると感覚が狂ってくるが、こういう簡素だが気持ちがよい古民家宿に泊まると心の垢が取れるというか、感覚が平常に戻されるというか。

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宿のベランダから水路を眺める。そういや、蚊にも刺されなかった。水は透明ではないものの、小魚がたくさん泳いでいて、ボウフラなど即座に餌になってしまうのだろう。

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毛並みは良いがひたすら愛想が悪い猫を残して散策に出た。

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放生橋のほぼ同じところから日中と夜に定点観測的に撮ってみた。夜になると、魔力が宿るというか、店や人が鮮やかに浮かび上がってくる。

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こちらが街のシンボル、放生橋。まあ、なんてことはない橋でここに憩いはない。

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宿に戻ると女主人が7弦の琴を奏でていた。女性が華やかに演奏する21弦の琴と異なり、7弦の琴はもっぱら男性や思想家、政治家が弾くことが多いものらしく、人に聴かせて楽しませるためというよりは自らの心を整え安らげるために自分の為に弾くものなのだそうだ。


ここの女主人、英語がかなり話せて日本の尺八の素晴らしさや中国の尺八のような竹笛の話もあれこれしてくれた。


おかげさんで幾らかは気分転換ができた。都会の喧騒から逃れるのに良い上海からの遠足だった。




行き方備考

 

ホテルから直接タクシーを拾い、結局1時間半、200RMBほどかかった。高速バスで行けばバス自体は12RMBだというが、バス乗り場まで地下鉄で行き、乗り場を探し、タクシーよりけして速くはないバスに乗れば倍の時間はかかる。3000円ほどで2〜3時間の短縮と考えると滞在日数の少ない旅行者には悪くはない。

 

とはいえ、浦東から西に向かう為に川を越えるのにかなりの時間と運賃が浪費されたようにも思う。中山公園や人民広場らへんまで地下鉄で行き、そこからタクシーに乗ってしまうのが時短で気楽かもしれない。

 

帰りは古鎮から2号線の終着駅までタクシーに乗った。タクシー運賃は35分、90RMB。そこからは地下鉄運賃6RMBほどで市街地に戻れる。もし帰国便が虹橋国際空港からならば、直接タクシーで空港に向かうのも都合が良い。

 

 

では行きも2号線の終着駅まで行った方が良いのか。これはやめた方が良いかもしれない。終着駅は巨大な国際展示場でそこからタクシーに乗って何処かに行く人は少なそうだ。駅前にタクシーは全く見かけなかったし、そこから多少は遠い朱家角に行くのを断られる可能性もある。せめて虹橋国際空港で降りてタクシーを拾うべき。

おはよう上海

朝9時から18時までみっちりと会議をし、空港で上司と夕食をとりながら仕事の話が続く。 

 
深夜12時半に上海に到着し、ホテルにチェックインしたのはもはや2時。日本時間の午前3時。眠い。
 
そういや、チェックイン時にドヤ顔でリバービューのお部屋をご用意しましたと言われたが、眠い頭で「川が見えるからってなんなのさ」と思ったのを覚えている。 

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泥睡して起きると、なんとまあ。馴染みの赤紫の珠が見えた。

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おはよう、上海。しかも快晴なのに青空。空が青いだなんて。台風で大気汚染は吹き飛ばされたか。

テディベアカットに物申す

 

 

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口周りはすっきりと、耳も短く三角にペタリと。

 

世の中、特に何か指定をしない限りトリミングに出すと、口周りを丸く耳の毛もフワフワにした、いわゆるテディベアカットにされてしまう。テディベアカットがプードルが最も可愛らしく見える姿だと、みんな、本当に心の底から思っているのだろうか。

 

体躯のシルエットを無視した様は犬らしさが減り、そこが童話や玩具の世界のようで良いと言う人が多いのかもしれない。

 

しかし、私はやはり犬はトイプードルも含めて如何にも犬らしい輪郭のままのほうが可愛らしいと思うのだよな。


トリマーさんは、迎えに行った嫁さんに対して「すぐに伸びてきますよ」とか「私もあまりこういう注文を受けないので、こちらで希望通りか自信ないのですが」などと弱気なことを仰ってたそうだ。良いんだよ、これで。


冷房を滅多に入れない我が家では、腹も足も毛が短いほうが気持ちが良さそうだし、口周りをや目の上が短いほうがマンゴー殿も視界良好で快適だろうよ。次も、次の次も、これで良い。なのにこのスタイルを「テディベアカット」のように一言で伝えられる方法がないのがもどかしい。

陶芸の内省

 

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1.5合入れ酒器。チビチビ飲む用。鈍色の釉薬を何かしら掛けたい。収縮率が充分に加味されていなくて容量が足りないかもしれない。

 

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これはダメだな。ジョウロ部分が不恰好すぎる。土に還したい。本体はそのまま転用して注ぎ口だけ作り直したいが、本体が先に乾燥しすぎてしまって無理だろう。愛情を全く感じない制作物。

 

 

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底を厚くして重心を低くした小さな陶鉢。長くヒョロヒョロと成長していく多肉を植えたい。胴に何を釉掛けするか、描くか次第だ。

 

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片口なのだろうか。躊躇った末に底に穴を開けずに終わった。酒器として使えるのだろうか。

 

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それなりに薄く綺麗な形を目指してしまっている。単純な真円ではなく撓ませてみたりしているが、「上手に造ってますね」と先生や陶芸仲間に言われたい願望を自分の中に感じる。しかし実体としては自分の表現したい何かが表出してるわけでもない器だし、自分の為に作っている器だとも言えない。

 

本当は、もっと好き勝手なものを作りたい。深く考えず、下絵も描かず、気儘に土をいじってる内に何とはなしに造った鹿だとか団子虫の鉢のような。それの轆轤作りによる器が作りたい。

 

 

絵で言うならば描きたい何かがあるのに、それ以前にデッサン能力が低くてつまづいている状態。精確に作れる技能を培った上で崩し、誇張し、好きなものを作っていきたい。しかし何度、轆轤を挽いてもその狂ったデッサンに失望して前に進めずにいる。

 

美術大学に入りたい学生が美大予備校でデッサンなどの基礎を鍛えるように、陶器でもっと自由に創作する為にも基礎を鍛えてもらえる学校のようなところに行きたい。

植物好きの遊園地「オザキフラワーワールド」夏の再訪

 

 

 

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毎度、訪れる度に興奮気味になる。そこらのホームセンターに並ばない植物があちらにこちらにも。

 

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今現在、多肉植物売場の一角が改装工事で閉まっていた。それでもまだ、かなりの多肉植物やサボテンが陳列されている。

 

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観葉植物の一角は上から下まで様々な種類が混ぜ合わさって陳列され、さながら温室植物園のよう。同種の植物を固めて陳列すれば売る側も買う側も楽かもしれないが、あちらこちらに置かれた株から自分の好みの樹形の鉢を見つける宝探しの要素がある。

 

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欲しくなる見事な紐サボテン。7000円か。小さな奴を2000円ぐらいで購入して、5年、10年とかけて大きく育てたい。そして30年、40年と家族の人生のお供にしたい。

 

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兜を柱サボテンに接木したもの。非自然な光景で面白いが、上物より接木の土台の寿命が短く、そのうち接ぎ替えしなくてはならない。また、強風や嵐に倒れてしまわないか心配になってしまう。

 

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蘭の根は空気に直晒しでも問題ないようだ。釣り忍の下部には蘭の根を晒したい。

 

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ここは巨大な鉢の品揃えも多い。西洋風、プロバンス風に合う白化粧塗りやテラコッタの鉢もセンスが良い。

 

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私好みな土肌の陶器鉢もあれこれとある。

 

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室内に大きな観葉植物を置くならばこんな爽やかな模様入りの鉢も良い。さらに言えば和文様だとさらに好みなのだがな。染付とは違うマットな質感が良い。

 

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今回、かなり買うか躊躇われたのがこの大振りの鉢。銅系統の溶岩釉でクレーターのような表面と、上部の緑から底部に向かうにつれ青みが増していく色彩も良い。結局買わなかったのは、植え替えたいと思っているゴーラムの葉の色と被ってしまい植物が映えないように思えたから。真っ白なサボテンの寄せ植えには適しているかもしれない。

 

 

 

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そろそろ、陶板タイルを自作し始めてもよいかもしれん、と思った。好き勝手に下手絵な多肉植物を描いてみるとか、毎年一枚、家族の象徴的なことを描いてみるだとか。

 

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あれこれ、こんなことを考えるのが仕事からオフになるスイッチ。

DIY素人でも多肉植物のアイアン風の棚が制作できてしまう

DIY素人だが多肉植物のアイアン風の棚をバルコニーに設えてみた。

 

テーマは無骨なインダストリアルデザイン。地震なども考えるとあまり何段にも増やしたくはないが、もう少し陽の当たる区画に多肉植物鉢を置ける容量を増やしたかった。
 
ホームセンターに行き、塩ビパイプを買う。通常の灰色のものと、Hiナントカと書かれた若干高い黒のものがあるのだが、塗り漏れがあっても目立たなそうな黒の塩ビパイプを購入した。中野にある島忠にはフリンジという壁や床と接続する為のパーツや、45度エルボー、4口チーズなどは売っていなかった。
 
  • 塩ビパイプ 1m 10本
  • エルボー 6個
  • チーズ 14個
  • 給水栓 チーズ1個
  • 給水栓 エルボー 2個
  • バルブソケット 5個
  • 給水栓ソケット 2個
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塩ビパイプは鋸でも容易に切れるそうだが、パイプカッターを購入した。これがあると、回すようにあてるだけでパイプの切断が速く容易にできるし、鋸のように切りカスが出ないのも楽だ。室内で作業ができてしまう。
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パイプを継手に差し込むノリシロは1.5cmほどを想定しておくとちょうど良いようだ。黒の塩ビパイプで作ると無塗装でもそれなりに見える。
 
折角、DIYするからには市販品には無い自由な設計にしたい。
  • 幅165cmのバルコニー腰壁に合わせて幅150cmとする。
  • バルコニーの袖壁の上に半分が乗っかるような脚の長さが前後で異なる棚。
  • 植木鉢の転落防止の柵付き。
  • 手前側に一部張り出した展示台。
  • 脚の長さを微調整して水平を確保できるようにする。
  • 鉢底から流れる水捌けを良くする。

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塩ビパイプには荒目240の紙やすりで表面に無数の傷を作り、ミッチャクロンを吹き掛けて下地を作った。これにより、塗料のノリが良くなるらしい。
 
さらにアイアンスチール塗料「ブラックスケールメタリック」を購入し、スポンジで塗った。刷毛目が付いていると如何にもペンキっぽくなるのに対し、スポンジで塗ると鉄の鋳型作りのザラザラのようにも見えてくれる。

 

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もっと細部に拘るならばエルボーもカットしたほうが良い。鉄製のエルボーは強度が高いので裾も短い。裾が長いのは、ある意味、塩ビパイプ感が出てしまっていることになる。

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用途上の必要性が無くとも、給水栓エルボーを使うとゴツくなってアイアン風の趣きが出る。

 

棚板が最も高くついた。スプルースが最も安いのだが、直射日光や雨に晒されるだけに耐久性が足らない。そんな中、見つけた「サーモウッド」というものが茶褐色で好みで、さらに耐久年数が8年程度と長いのも後押しとなって買ってしまった。なんでも、薬剤を使うことなく特殊な高熱乾燥方法により木材内部の糖質を変化安定させ、ヤニ成分を無くし、乾燥により水分が吸い込まれる穴が閉じている為に風雨にも強いとのこと。この板にさらに水性ウレタンを塗って皮膜を作ってやったので耐久性はさらに高まったと思う。
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手前の突き出した台の上に、手入れをしたい鉢を仮置きして作業しても良いし、バルコニーで寛ぐ際に鑑賞したい多肉植物をセンターステージのように置いても良い。
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このバルコニー以外には使えない棚だが、それだけカスタマイズのし甲斐のある適合した仕様にできたということでもある。
 
作り終えた感想は、「素人でも簡単にできる」というもの。もう少し複雑な構造のものでも、塩ビパイプカッターで切るのが簡単なので作れそうに感じた。アイアン塗料はこれ単一だと黒マットでしかない。茶色の塗料などでサビ加工したらもっとアンティーク感、インダストリアル感が出せるのかもしれない。
 
総制作費1万5千円ほど。耐久性の高いサーモウッドを使ったり、さらに耐久性を高める為に水性ウレタンを塗ったりと屋外仕様にする為にさらに高くついたように思う。しかし、既製品の棚でもこれだけの大きさだとそれなりに高いし、何よりも脚の高さの異なる棚などそうそう無いので、自作した満足度は高い。