トゲトゲダンゴムシには躍動感あふれて伸びていく菌糸体のようにも見える植物の種子を合わせてみた。
翡翠色の子実体がにょきにょきと生えてきている様も気に入っている。
こういう冬虫夏草茸は実際にいるよな、とほくそ笑む。
湿度に弱いサボテンを植え込むことを想定して鉢穴は大きめに確保してある。脚で通気性も確保。
小窯での本焼成の窯出し。窯に破損なし。作品も癒着、釉垂れもなく完品。
焼成費を支払うための計量を行う。毎回、重量を見てイタタタと内心痛がってしまう。軽く作りたいが植え込んだ後の安定を考えるとある程度、重心の低さのための重さも必要なのだよな。
三葉虫。なかなか存在感のある仕上がりになった。
ギラファノコギリクワガタ。細長い顎がとても繊細でいつ壊れるのか時間の問題のように思える。
ミカヅキツノゼミ。上出来。鉢のしっとりと柔らかそうな質感と陶蟲の硬質な光沢のある質感の違いを作りわけられたのではないか。明るい自然光の下だとより顕著に見えるはず。
ヨツコブツノゼミもその複雑怪奇なツノが破損も落下もすることなく焼けた。しかし少し斜めに傾いてしまった。難しい。
私にとってはスタンダードなダンゴムシの鉢。
こちらは上半身だけの鉢。グソクムシ感があって気に入っている。翡翠色の釉薬が派手に流れてしまった。
こちらは見た目以上に大きめのダンゴムシ鉢。
そして異常巻きアンモナイト。
ヘビトンボ。触角を紐で作ったらそのまま焼けたものの折れるのは時間の問題。扱いに困るものを作ってしまった。
テナガコガネを作ってみた。真正面から見ると愛嬌がある。
前脚を持て余すほど長い。焼成過程で壊れるとしたらここだが、前脚が欠けてしまうとテナガコガネらしさが大きく損なわれてしまう。無事に焼き上がりますように。
開口部は植物の植えやすさを思うと大きくしたいが、大きくすればするほど蟲から育つ印象が薄れてしまうので最も悩ましいポイント。
少し毛色が違うけれども球鉢に載せたダンゴムシ鉢も作った。
背中と腹の脇から多肉植物を生やしたい。
水遣りもしやすい親切設計。
マミラリアを植えてどこかの店頭に置かせてもらいたくさんの人に見てもらいたい。
小ぶりな陶器鉢シリーズは一旦一区切り。次は大きめの単体鉢か、風化鉢、壁掛け鉢、ビカクシダマウント用蝉幼虫鉢か。
春秋のよく晴れた朝の陽光は魔術をかけてくれる。
水耕栽培で咲かせたヒヤシンスの球根を庭に地植えしたものは施肥もしておらず小さく咲いた。その代わり、花びらの紫に子房の深い、深い青は素晴らしい。
触角も翅もボロボロになった姿に愛おしさを感じてしまう。羽化したばかりの完全体ではなく、生き抜いた姿。
顔に光を浴びた姿も良し。
見ていたら創作意欲が湧いてきた。蚕蛾が身体を窄めて立ち上がったような姿を作りたい。